モニタリング
Red Hat OpenShift Service on AWS 上のプロジェクトのモニタリング
概要
第1章 モニタリングの概要
1.1. Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングについて
Red Hat OpenShift Service on AWS では、Red Hat のサイト信頼性エンジニアリング (SRE) チームのプラットフォームメトリクスから切り離して独自のプロジェクトをモニターできます。モニタリングソリューションを追加せずに独自のプロジェクトをモニターできます。
1.2. モニタリングスタックについて
Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) モニタリングスタックは、Prometheus オープンソースプロジェクトおよびその幅広いエコシステムをベースとしています。モニタリングスタックには、以下のコンポーネントが含まれます。
デフォルトのプラットフォームモニタリングコンポーネント。プラットフォームモニタリングの一連のコンポーネントは、Red Hat OpenShift Service on AWS のインストール時にデフォルトで
openshift-monitoring
プロジェクトにインストールされます。Red Hat Site Reliability Engineer (SRE) は、これらのコンポーネントを使用して、Kubernetes サービスを含むコアクラスターコンポーネントを監視します。これには、全 namespace に含まれるすべてのワークロードから収集された CPU やメモリーなどの重要なメトリクスが含まれます。これらのコンポーネントは、以下の図の Installed by default セクションで説明されています。
-
ユーザー定義のプロジェクトをモニターするためのコンポーネント。ユーザー定義のプロジェクトモニタリングコンポーネントのセットは、Red Hat OpenShift Service on AWS のインストール中にデフォルトで
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトにインストールされます。これらのコンポーネントを使用して、ユーザー定義プロジェクトのサービスと Pod をモニターできます。これらのコンポーネントは、以下の図の User セクションで説明されています。
1.2.1. デフォルトのモニタリングターゲット
Red Hat Site Reliability Engineer (SRE) は、Red Hat OpenShift Service on AWS クラスター内の次のプラットフォームターゲットを監視します。
- CoreDNS
- Elasticsearch (ロギングがインストールされている場合)
- etcd
- Fluentd (ロギングがインストールされている場合)
- HAProxy
- イメージレジストリー
- Kubelets
- Kubernetes API サーバー
- Kubernetes コントローラーマネージャー
- Kubernetes スケジューラー
- OpenShift API サーバー
- OpenShift Controller Manager
- Operator Lifecycle Manager (OLM)
- Vector (ロギングがインストールされている場合)
1.2.2. ユーザー定義プロジェクトをモニターするためのコンポーネント
Red Hat OpenShift Service on AWS には、ユーザー定義プロジェクトでサービスおよび Pod をモニターできるモニタリングスタックのオプションの拡張機能が含まれています。この機能には、以下のコンポーネントが含まれます。
表1.1 ユーザー定義プロジェクトをモニターするためのコンポーネント
コンポーネント | 説明 |
---|---|
Prometheus Operator |
|
Prometheus | Prometheus は、ユーザー定義のプロジェクト用にモニタリング機能が提供されるモニタリングシステムです。Prometheus は処理のためにアラートを Alertmanager に送信します。 |
Thanos Ruler | Thanos Ruler は、別のプロセスとしてデプロイされる Prometheus のルール評価エンジンです。Red Hat OpenShift Service on AWS では、Thanos Ruler はユーザー定義プロジェクトのモニタリングに関するルールおよびアラートの評価を提供します。 |
Alertmanager | Alertmanager サービスは、Prometheus および Thanos Ruler から送信されるアラートを処理します。Alertmanager はユーザー定義のアラートを外部通知システムに送信します。このサービスのデプロイは任意です。 |
これらのコンポーネントはすべてスタックによりモニターされ、Red Hat OpenShift Service on AWS の更新時に自動的に更新されます。
1.2.3. ユーザー定義プロジェクトのターゲットのモニタリング
モニタリングは、Red Hat OpenShift Service on AWS のユーザー定義プロジェクトについてデフォルトで有効にされます。以下をモニターできます。
- ユーザー定義プロジェクトのサービスエンドポイント経由で提供されるメトリクス。
- ユーザー定義プロジェクトで実行される Pod。
1.3. Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングの共通用語集
この用語集は、Red Hat OpenShift Service on AWS アーキテクチャーで使用される一般的な用語を定義します。
- Alertmanager
- Alertmanager は、Prometheus から受信したアラートを処理します。また、Alertmanager は外部の通知システムにアラートを送信します。
- アラートルール
- アラートルールには、クラスター内の特定の状態を示す一連の条件が含まれます。アラートは、これらの条件が true の場合にトリガーされます。アラートルールには、アラートのルーティング方法を定義する重大度を割り当てることができます。
- Cluster Monitoring Operator
- Cluster Monitoring Operator (CMO) は、モニタリングスタックの中心的なコンポーネントです。Thanos Querier、Telemeter Client、メトリクスターゲットなどの Prometheus インスタンスをデプロイおよび管理して、それらが最新であることを確認します。CMO は Cluster Version Operator (CVO) によってデプロイされます。
- Cluster Version Operator
- Cluster Version Operator (CVO) は、クラスター Operator のライフサイクルを管理します。クラスター Operator の多くは、デフォルトで Red Hat OpenShift Service on AWS にインストールされます。
- config map
-
ConfigMap は、設定データを Pod に注入する方法を提供します。タイプ
ConfigMap
のボリューム内の ConfigMap に格納されたデータを参照できます。Pod で実行しているアプリケーションは、このデータを使用できます。 - Container
- コンテナーは、ソフトウェアとそのすべての依存関係を含む軽量で実行可能なイメージです。コンテナーは、オペレーティングシステムを仮想化します。そのため、コンテナーはデータセンターからパブリッククラウド、プライベートクラウド、開発者のラップトップなどまで、場所を問わずコンテナーを実行できます。
- カスタムリソース (CR)
- CR は Kubernetes API のエクステンションです。カスタムリソースを作成できます。
- etcd
- etcd は、Red Hat OpenShift Service on AWS のキー/値ストアであり、すべてのリソースオブジェクトの状態を保存します。
- Fluentd
Fluentd は、各 Red Hat OpenShift Service on AWS ノードに常駐するログコレクターです。アプリケーション、インフラストラクチャー、および監査ログを収集し、それらをさまざまな出力に転送します。
注記Fluentd は非推奨となっており、今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現在のリリースのライフサイクル中にこの機能のバグ修正とサポートを提供しますが、この機能は拡張されなくなりました。Fluentd の代わりに、Vector を使用できます。
- Kubelets
- ノード上で実行され、コンテナーマニフェストを読み取ります。定義されたコンテナーが開始され、実行されていることを確認します。
- Kubernetes API サーバー
- Kubernetes API サーバーは、API オブジェクトのデータを検証して設定します。
- Kubernetes コントローラーマネージャー
- Kubernetes コントローラーマネージャーは、クラスターの状態を管理します。
- Kubernetes スケジューラー
- Kubernetes スケジューラーは Pod をノードに割り当てます。
- labels
- ラベルは、Pod などのオブジェクトのサブセットを整理および選択するために使用できるキーと値のペアです。
- ノード
- Red Hat OpenShift Service on AWS クラスター内のワーカーマシンです。ノードは、仮想マシン (VM) または物理マシンのいずれかです。
- 演算子
- Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターで Kubernetes アプリケーションをパッケージ化、デプロイ、および管理するための推奨される方法です。Operator は、人間による操作に関する知識を取り入れて、簡単にパッケージ化してお客様と共有できるソフトウェアにエンコードします。
- Operator Lifecycle Manager (OLM)
- OLM は、Kubernetes ネイティブアプリケーションのライフサイクルをインストール、更新、および管理するのに役立ちます。OLM は、Operator を効果的かつ自動化されたスケーラブルな方法で管理するために設計されたオープンソースのツールキットです。
- 永続ストレージ
- デバイスがシャットダウンされた後でもデータを保存します。Kubernetes は永続ボリュームを使用して、アプリケーションデータを保存します。
- 永続ボリューム要求 (PVC)
- PVC を使用して、PersistentVolume を Pod にマウントできます。クラウド環境の詳細を知らなくてもストレージにアクセスできます。
- pod
- Pod は、Kubernetes における最小の論理単位です。Pod には、ワーカーノードで実行される 1 つ以上のコンテナーが含まれます。
- Prometheus
- Prometheus は、Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングスタックのベースとなるモニタリングシステムです。Prometheus は Time Series を使用するデータベースであり、メトリクスのルール評価エンジンです。Prometheus は処理のためにアラートを Alertmanager に送信します。
- Prometheus アダプター
- Prometheus アダプターは、Prometheus で使用するために Kubernetes ノードと Pod のクエリーを変換します。変換されるリソースメトリクスには、CPU およびメモリーの使用率が含まれます。Prometheus アダプターは、Horizontal Pod Autoscaling のクラスターリソースメトリクス API を公開します。
- Prometheus Operator
-
openshift-monitoring
プロジェクトの Prometheus Operator(PO) は、プラットフォーム Prometheus インスタンスおよび Alertmanager インスタンスを作成、設定、および管理します。また、Kubernetes ラベルのクエリーに基づいてモニタリングターゲットの設定を自動生成します。 - サイレンス
- サイレンスをアラートに適用し、アラートの条件が true の場合に通知が送信されることを防ぐことができます。初期通知後はアラートをミュートにして、根本的な問題の解決に取り組むことができます。
- ストレージ
- Red Hat OpenShift Service on AWS は、AWS 上のさまざまなタイプのストレージをサポートします。Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターでは、永続データと非永続データのコンテナーストレージを管理できます。
- Thanos Ruler
- Thanos Ruler は、別のプロセスとしてデプロイされる Prometheus のルール評価エンジンです。Red Hat OpenShift Service on AWS 4 では、Thanos Ruler はユーザー定義プロジェクトのモニタリングに関するルールおよびアラートの評価を提供します。
- Vector
- Vector は、各 Red Hat OpenShift Service on AWS ノードにデプロイするログコレクターです。各ノードからログデータを収集し、データを変換して、設定された出力に転送します。
- Web コンソール
- Red Hat OpenShift Service on AWS を管理するためのユーザーインターフェイス (UI)。
1.4. 次のステップ
第2章 ユーザー定義プロジェクトのモニタリングのアクセス
Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) クラスターをインストールすると、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングがデフォルトで有効になります。ユーザー定義プロジェクトの監視を有効にすると、追加の監視ソリューションを必要とせずに独自の ROSA プロジェクトを監視できます。
dedicated-admin
ユーザーには、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを設定し、アクセスするためのデフォルトのパーミッションがあります。
カスタム Prometheus インスタンスおよび Operator Lifecycle Manager (OLM) でインストールされる Prometheus Operator では、ユーザー定義のプロジェクトモニタリングが有効である場合にこれに関する問題が生じる可能性があります。カスタム Prometheus インスタンスはサポートされません。
必要に応じて、クラスターのインストール中またはインストール後に、ユーザー定義プロジェクトの監視を無効にすることができます。
2.1. 次のステップ
第3章 モニタリングスタックの設定
このセクションでは、サポートされる設定について説明し、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングスタックを設定する方法を示し、いくつかの一般的な設定シナリオを示します。
モニタリングスタックのすべての設定パラメーターが公開されるわけではありません。設定では、Cluster Monitoring Operator の config map リファレンス にリストされているパラメーターとフィールドのみがサポートされます。
3.1. モニタリングのメンテナンスおよびサポート
モニタリングスタックのすべての設定オプションが公開されているわけではありません。Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリング設定で唯一サポートされている方法として、Cluster Monitoring Operator の Config map リファレンスで説明されているオプションを使用して Cluster Monitoring Operator を設定することが挙げられます。サポートされていない他の設定は使用しないでください。
設定のパラダイムが Prometheus リリース間で変更される可能性があり、このような変更には、設定のすべての可能性が制御されている場合のみ適切に対応できます。Cluster Monitoring Operator の Config map リファレンス で説明されている設定以外の設定を使用すると、デフォルトの設定、および設計上、Cluster Monitoring Operator が自動的に差異を調整し、サポートされていない変更を元の定義済みの状態にリセットするため、変更は消えてしまいます。
別の Prometheus インスタンスのインストールは、Red Hat Site Reliability Engineers (SRE) ではサポートされていません。
3.1.1. モニタリングのサポートに関する考慮事項
メトリクス、記録ルールまたはアラートルールの後方互換性を保証されません。
以下の変更は明示的にサポートされていません。
- カスタム Prometheus インスタンスの Red Hat OpenShift Service on AWS へのインストール。カスタムインスタンスは、Prometheus Operator によって管理される Prometheus カスタムリソース (CR) です。
-
デフォルトのプラットフォームモニタリングコンポーネントを変更します。
cluster-monitoring-config
config map で定義されているコンポーネントは変更しないでください。Red Hat SRE は、これらのコンポーネントを使用して、コアクラスターコンポーネントと Kubernetes サービスをモニターします。
3.1.2. モニタリングコンポーネントのバージョンマトリックスのサポート
以下のマトリックスには、Red Hat OpenShift Service on AWS 4.12 以降のリリースのモニタリングコンポーネントのバージョンに関する情報が含まれています。
表3.1 Red Hat OpenShift Service on AWS およびコンポーネントのバージョン
Red Hat OpenShift Service on AWS | Prometheus Operator | Prometheus | Prometheus アダプター | Metrics Server (テクノロジープレビュー) | Alertmanager | kube-state-metrics エージェント | monitoring-plugin | node-exporter エージェント | Thanos |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4.15 | 0.70.0 | 2.48.0 | 0.11.2 | 0.6.4 | 0.26.0 | 2.10.1 | 1.0.0 | 1.7.0 | 0.32.5 |
4.14 | 0.67.1 | 2.46.0 | 0.10.0 | 該当なし | 0.25.0 | 2.9.2 | 1.0.0 | 1.6.1 | 0.30.2 |
4.13 | 0.63.0 | 2.42.0 | 0.10.0 | 該当なし | 0.25.0 | 2.8.1 | 該当なし | 1.5.0 | 0.30.2 |
4.12 | 0.60.1 | 2.39.1 | 0.10.0 | 該当なし | 0.24.0 | 2.6.0 | 該当なし | 1.4.0 | 0.28.1 |
openshift-state-metrics エージェントおよび Telemeter クライアントは、OpenShift 固有のコンポーネントです。したがって、それらのバージョンは Red Hat OpenShift Service on AWS のバージョンに対応します。
3.2. モニタリングスタックの設定
Red Hat OpenShift Service on AWS では、user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを使用してユーザー定義プロジェクトのワークロードをモニターするスタックを設定できます。設定マップはクラスターモニタリング Operator (CMO) を設定し、その後にスタックのコンポーネントが設定されます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
設定を、
data/config.yaml
の下に値とキーのペア<component_name>: <component_configuration>
として追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: <configuration_for_the_component>
<component>
および<configuration_for_the_component>
を随時置き換えます。以下の
ConfigMap
オブジェクトの例は、Prometheus のデータ保持期間および最小コンテナーリソース要求を設定します。これは、ユーザー定義のプロジェクトのみをモニターする Prometheus インスタンスに関連します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: 1 retention: 24h 2 resources: requests: cpu: 200m 3 memory: 2Gi 4
ファイルを保存して、変更を
ConfigMap
オブジェクトに適用します。新規設定の影響を受ける Pod は自動的に再起動します。警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
関連情報
-
user-workload-monitoring-config
config map の設定リファレンス
3.3. 設定可能なモニタリングコンポーネント
以下の表は、設定可能なモニタリングコンポーネントと、user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトでコンポーネントを指定するために使用されるキーを示しています。
Cluster-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクト内のモニタリングコンポーネントを変更しないでください。Red Hat Site Reliability Engineer (SRE) は、これらのコンポーネントを使用して、コアクラスターコンポーネントと Kubernetes サービスをモニターします。
表3.2 設定可能なモニタリングコンポーネント
コンポーネント | user-workload-monitoring-config config map キー |
---|---|
Alertmanager |
|
Prometheus Operator |
|
Prometheus |
|
Thanos Ruler |
|
3.4. ノードセレクターを使用したモニタリングコンポーネントの移動
ラベル付きノードで nodeSelector
制約を使用すると、任意のモニタリングスタックコンポーネントを特定ノードに移動できます。これにより、クラスター全体のモニタリングコンポーネントの配置と分散を制御できます。
モニタリングコンポーネントの配置と分散を制御することで、システムリソースの使用を最適化し、パフォーマンスを高め、特定の要件やポリシーに基づいてワークロードを分離できます。
3.4.1. ノードセレクターと他の制約の連携
ノードセレクターの制約を使用してモニタリングコンポーネントを移動する場合、クラスターに Pod のスケジューリングを制御するための他の制約があることに注意してください。
- Pod の配置を制御するために、トポロジー分散制約が設定されている可能性があります。
- Prometheus、Thanos Querier、Alertmanager、およびその他のモニタリングコンポーネントでは、コンポーネントの複数の Pod が必ず異なるノードに分散されて高可用性が常に確保されるように、ハードな非アフィニティールールが設定されています。
ノード上で Pod をスケジュールする場合、Pod スケジューラーは既存の制約をすべて満たすように Pod の配置を決定します。つまり、Pod スケジューラーがどの Pod をどのノードに配置するかを決定する際に、すべての制約が組み合わされます。
そのため、ノードセレクター制約を設定しても既存の制約をすべて満たすことができない場合、Pod スケジューラーはすべての制約をマッチさせることができず、ノードへの Pod 配置をスケジュールしません。
モニタリングコンポーネントの耐障害性と高可用性を維持するには、コンポーネントを移動するノードセレクター制約を設定する際に、十分な数のノードが利用可能で、すべての制約がマッチすることを確認してください。
3.4.2. モニタリングコンポーネントの異なるノードへの移動
ユーザー定義プロジェクトのワークロードをモニターする任意のコンポーネントを特定のワーカーノードに移動できます。コンポーネントをコントロールプレーンまたはインフラストラクチャーノードに移動することは許可されていません。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
まだの場合は、モニタリングコンポーネントを実行するノードにラベルを追加します。
$ oc label nodes <node-name> <node-label>
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml
でコンポーネントのnodeSelector
制約のノードラベルを指定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: 1 nodeSelector: <node-label-1> 2 <node-label-2> 3 <...>
注記nodeSelector
の制約を設定した後もモニタリングコンポーネントがPending
状態のままになっている場合は、Pod イベントでテイントおよび容認に関連するエラーの有無を確認します。
変更を適用するためにファイルを保存します。新しい設定で指定されたコンポーネントは、新しいノードに自動的に移動されます。
警告monitoring config map への変更を保存すると、プロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる場合があります。そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する場合があります。
関連情報
-
nodeSelector
制約についての詳細は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
3.5. モニタリングコンポーネントへの容認 (Toleration) の割り当て
ユーザー定義プロジェクトをモニターするコンポーネントに許容値を割り当てて、テイントされたワーカーノードにプロジェクトを移動できるようにすることができます。コントロールプレーンまたはインフラストラクチャーノードでのスケジューリングは許可されていません。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトは、openshift-user-workload-monitoring
namespace に存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
コンポーネントの
tolerations
を指定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: tolerations: <toleration_specification>
<component>
および<toleration_specification>
を随時置き換えます。たとえば、
oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoSchedule
は、キーがkey1
で、値がvalue1
のnode1
にテイントを追加します。これにより、モニタリングコンポーネントがnode1
に Pod をデプロイするのを防ぎます。ただし、そのテイントに対して許容値が設定されている場合を除きます。以下の例では、サンプルのテイントを容認するようにthanosRuler
コンポーネントを設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: tolerations: - key: "key1" operator: "Equal" value: "value1" effect: "NoSchedule"
変更を適用するためにファイルを保存します。新しいコンポーネントの配置設定が自動的に適用されます。
警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
関連情報
- テイントおよび許容値は、Kubernetes ドキュメント を参照してください。
3.6. コンポーネントのモニタリングに使用する CPU およびメモリーリソースの管理
モニタリングコンポーネントを実行するコンテナーに十分な CPU リソースとメモリーリソースがあることを確認するには、これらのコンポーネントに対するリソース制限と要求の値を指定します。
これらの制限と要求は、openshift-monitoring
namespace のコアプラットフォームモニタリングコンポーネント、および openshift-user-workload-monitoring
namespace のユーザー定義プロジェクトを監視するコンポーネントに対して設定できます。
3.6.1. モニタリングコンポーネントの制限と要求の指定について
コアプラットフォームモニタリングコンポーネントと、次のコンポーネントを含むユーザー定義プロジェクトを監視するコンポーネントのリソース制限と要求を設定できます。
- Alertmanager (コアプラットフォームのモニタリングおよびユーザー定義プロジェクト用)
- kube-state-metrics
- monitoring-plugin
- node-exporter
- openshift-state-metrics
- Prometheus (コアプラットフォームのモニタリングおよびユーザー定義プロジェクト用)
- Prometheus アダプター
- Prometheus Operator とそのアドミッション Webhook サービス
- Telemeter クライアント
- Thanos Querier
- Thanos Ruler
リソース制限を定義すると、コンテナーのリソース使用量が制限され、コンテナーが CPU およびメモリーリソースの指定された最大値を超過しなくなります。
リソース要求を定義することで、要求されたリソースを満たすのに十分な CPU リソースとメモリーリソースが利用可能なノード上でのみコンテナーをスケジュールできるように指定します。
3.6.2. モニタリングコンポーネントの制限と要求の指定
CPU およびメモリーリソースを設定するには、モニタリングコンポーネントが配置されている namespace の適切な ConfigMap
オブジェクトで、リソース制限と要求の値を指定します。
-
コアプラットフォームのモニタリングに使用する
openshift-monitoring
namespace のcluster-monitoring-config
config map -
ユーザー定義プロジェクトを関しするコンポーネントの
openshift-user-workload-monitoring
namespace 内のuser-workload-monitoring-config
config map
前提条件
コアプラットフォームモニタリングコンポーネントを設定する場合:
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。 -
これで、
cluster-monitoring-config
という名前のConfigMap
オブジェクトが作成されました。
-
ユーザー定義のプロジェクトをモニターするコンポーネントを設定する場合:
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとして、またはopenshift-user-workload-monitoring
プロジェクトのuser-workload-monitoring-config-edit
ロールを持つユーザーとして、クラスターにアクセスできる。
-
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
コアプラットフォームモニタリングコンポーネントを設定するには、
openshift-monitoring
namespace のcluster-monitoring-config
config map オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-monitoring edit configmap cluster-monitoring-config
値を追加して、設定する各コアプラットフォームモニタリングコンポーネントのリソース制限と要求を定義します。
重要制限に設定された値が、常に要求に設定された値よりも大きいことを確認してください。そうでない場合、エラーが発生し、コンテナーは実行されません。
例
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: cluster-monitoring-config namespace: openshift-monitoring data: config.yaml: | alertmanagerMain: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi prometheusK8s: resources: limits: cpu: 500m memory: 3Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi prometheusOperator: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi k8sPrometheusAdapter: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi kubeStateMetrics: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi telemeterClient: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi openshiftStateMetrics: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi thanosQuerier: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi nodeExporter: resources: limits: cpu: 50m memory: 150Mi requests: cpu: 20m memory: 50Mi monitoringPlugin: resources: limits: cpu: 500m memory: 1Gi requests: cpu: 200m memory: 500Mi prometheusOperatorAdmissionWebhook: resources: limits: cpu: 50m memory: 100Mi requests: cpu: 20m memory: 50Mi
ファイルを保存して、変更を自動的に適用します。
重要cluster-monitoring-config
config map への変更を保存すると、openshift-monitoring
プロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる場合があります。そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する場合があります。
3.7. Configuring persistent storage
永続ストレージを使用してクラスターモニタリングを実行すると、次の利点が得られます。
- メトリクスとアラートデータを永続ボリューム (PV) に保存することで、データ損失から保護します。その結果、Pod が再起動または再作成されても存続できます。
- Alertmanager Pod が再起動したときに、重複した通知を受信したり、アラートの無音が失われたりすることを回避します。
実稼働環境では、永続ストレージを設定することを強く推奨します。IO デマンドが高いため、ローカルストレージを使用することが有利になります。
3.7.1. 永続ストレージの前提条件
- ストレージのブロックタイプを使用します。
3.7.2. Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求) の設定
モニタリングコンポーネントが永続ボリューム (PV) を使用できるようにするには、永続ボリューム要求 (PVC) を設定する必要があります。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
コンポーネントの PVC 設定を
data/config.yaml
の下に追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: volumeClaimTemplate: spec: storageClassName: <storage_class> resources: requests: storage: <amount_of_storage>
volumeClaimTemplate
の指定方法は、PersistentVolumeClaims に関する Kubernetes ドキュメント を参照してください。以下の例では、ユーザー定義プロジェクトをモニターする Prometheus インスタンスの永続ストレージを要求する PVC を設定します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: volumeClaimTemplate: spec: storageClassName: gp3 resources: requests: storage: 40Gi
上記の例では、
gp3
ストレージクラスを使用しています。以下の例では、Thanos Ruler の永続ストレージを要求する PVC を設定します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: volumeClaimTemplate: spec: storageClassName: gp3 resources: requests: storage: 10Gi
注記thanosRuler
コンポーネントのストレージ要件は、評価されルールの数や、各ルールが生成するサンプル数により異なります。
変更を適用するためにファイルを保存します。新規設定の影響を受けた Pod は自動的に再起動し、新規ストレージ設定が適用されます。
警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
3.7.3. Prometheus メトリクスデータの保持期間およびサイズの変更
デフォルトで、Prometheus がメトリクスデータを保持する期間のデフォルトは以下のとおりです。
- コアプラットフォームのモニタリング: 15 日間
- ユーザー定義プロジェクトの監視: 24 時間
データを削除するタイミングを変更するために、ユーザー定義のプロジェクトをモニターする Prometheus インスタンスの保持時間を変更できます。保持されるメトリクスデータが使用するディスク容量の最大量を設定することもできます。データがこのサイズ制限に達すると、使用するディスク領域が上限を下回るまで、Prometheus は最も古いデータを削除します。
これらのデータ保持設定は、以下の挙動に注意してください。
-
サイズベースのリテンションポリシーは、
/prometheus
ディレクトリー内のすべてのデータブロックディレクトリーに適用され、永続ブロック、ライトアヘッドログ (WAL) データ、および m-mapped チャンクも含まれます。 -
wal
と/head_chunks
ディレクトリーのデータは保持サイズ制限にカウントされますが、Prometheus はサイズまたは時間ベースの保持ポリシーに基づいてこれらのディレクトリーからデータをパージすることはありません。したがって、/wal
ディレクトリーおよび/head_chunks
ディレクトリーに設定された最大サイズよりも低い保持サイズ制限を設定すると、/prometheus
データディレクトリーにデータブロックを保持しないようにシステムを設定している。 - サイズベースの保持ポリシーは、Prometheus が新規データブロックをカットする場合にのみ適用されます。これは、WAL に少なくとも 3 時間のデータが含まれてから 2 時間ごとに実行されます。
-
retention
またはretentionSize
の値を明示的に定義しない場合、保持期間のデフォルトは、コアプラットフォームの監視は 15 日間、ユーザー定義プロジェクトの監視は 24 時間です。保持サイズは設定されていません。 -
retention
およびretentionSize
の両方に値を定義すると、両方の値が適用されます。データブロックが定義された保持時間または定義されたサイズ制限を超える場合、Prometheus はこれらのデータブロックをパージします。 -
retentionSize
の値を定義してretention
を定義しない場合、retentionSize
値のみが適用されます。 -
retentionSize
の値を定義しておらず、pretention
の値のみを定義する場合、retention
値のみが適用されます。 -
retentionSize
またはretention
の値を0
に設定すると、デフォルト設定が適用されます。保持期間のデフォルト設定は、コアプラットフォームの監視の場合は 15 日間、ユーザー定義プロジェクトの監視の場合は 24 時間です。デフォルトでは、保持サイズは設定されていません。
データコンパクションは 2 時間ごとに実行されます。そのため、コンパクションが実行される前に永続ボリューム (PV) がいっぱいになり、retentionSize
制限を超える可能性があります。その場合、PV 上のスペースが retentionSize
制限を下回るまで、KubePersistentVolumeFillingUp
アラートが発生します。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
保持期間およびサイズ設定を
data/config.yaml
に追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: retention: <time_specification> 1 retentionSize: <size_specification> 2
次の例では、ユーザー定義プロジェクトを監視する Prometheus インスタンスについて、保持時間を 24 時間に、保持サイズを 10 ギガバイトに設定しています。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: retention: 24h retentionSize: 10GB
変更を適用するためにファイルを保存します。新規設定の影響を受けた Pod は自動的に再起動します。
警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
3.7.4. Thanos Ruler メトリクスデータの保持期間の変更
デフォルトでは、ユーザー定義のプロジェクトでは、Thanos Ruler は 24 時間にわたりメトリクスデータを自動的に保持します。openshift-user-workload-monitoring
namespace の user-workload-monitoring-config
の Config Map に時間の値を指定して、このデータの保持期間を変更できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
保持期間の設定を
data/config.yaml
に追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: retention: <time_specification> 1
- 1
- 保持時間 は、
ms
(ミリ秒)、s
(秒)、m
(分)、h
(時)、d
(日)、w
(週)、y
(年) が直後に続く数字で指定します。1h30m15s
などの特定の時間に時間値を組み合わせることもできます。デフォルトは24h
です。
以下の例では、Thanos Ruler データの保持期間を 10 日間に設定します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: retention: 10d
変更を適用するためにファイルを保存します。新規設定が加えられた Pod は自動的に再起動します。
警告モニタリング config map の変更を保存すると、モニタリングプロセスが再起動し、関連プロジェクトの Pod やその他のリソースが再デプロイされる場合があります。そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する場合があります。
関連情報
3.8. リモート書き込みストレージの設定
リモート書き込みストレージを設定して、Prometheus が取り込んだメトリクスをリモートシステムに送信して長期保存できるようにします。これを行っても、Prometheus がメトリクスを保存する方法や期間には影響はありません。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 リモート書き込み互換性のあるエンドポイント (Thanos) を設定し、エンドポイント URL を把握している。リモート書き込み機能と互換性のないエンドポイントの情報ては、Prometheus リモートエンドポイントおよびストレージについてのドキュメント を参照してください。
重要Red Hat は、リモート書き込み送信側の設定に関する情報のみを提供し、受信側エンドポイントの設定に関するガイダンスは提供しません。お客様は、リモート書き込みと互換性のある独自のエンドポイントを設定する責任があります。エンドポイントレシーバー設定に関する問題は、Red Hat 製品サポートには含まれません。
リモート書き込みエンドポイントの
Secret
オブジェクトに認証クレデンシャルを設定している。シークレットはopenshift-user-workload-monitoring
namespace に作成する必要があります。警告セキュリティーリスクを軽減するには、HTTPS および認証を使用してメトリクスをエンドポイントに送信します。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
-
data/config.yaml/prometheus
にremoteWrite:
セクションを追加します。 このセクションにエンドポイント URL および認証情報を追加します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" 1 <endpoint_authentication_credentials> 2
認証クレデンシャルの後に、書き込みの再ラベル設定値を追加します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" <endpoint_authentication_credentials> <your_write_relabel_configs> 1
- 1
- 書き込みの再ラベル設定。
<your_write_relabel_configs>
は、リモートエンドポイントに送信する必要のあるメトリクスの書き込みラベル一覧に置き換えます。以下の例では、
my_metric
という単一のメトリクスを転送する方法を紹介します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" writeRelabelConfigs: - sourceLabels: [__name__] regex: 'my_metric' action: keep
書き込み再ラベル設定オプションについては、Prometheus relabel_config documentation を参照してください。
変更を適用するためにファイルを保存します。新規設定の影響を受けた Pod は自動的に再起動します。
警告モニタリング
ConfigMap
オブジェクトへの変更を保存すると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。また、変更を保存すると、そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
3.8.1. サポート対象のリモート書き込み認証設定
異なる方法を使用して、リモート書き込みエンドポイントとの認証を行うことができます。現時点でサポートされている認証方法は AWS 署名バージョン 4、Basic 認証、認可、OAuth 2.0、および TLS クライアントです。以下の表は、リモート書き込みで使用するサポート対象の認証方法の詳細を示しています。
認証方法 | config map フィールド | 説明 |
---|---|---|
AWS 署名バージョン 4 |
| この方法では、AWS Signature Version 4 認証を使用して要求を署名します。この方法は、認可、OAuth 2.0、または Basic 認証と同時に使用することはできません。 |
Basic 認証 |
| Basic 認証は、設定されたユーザー名とパスワードを使用してすべてのリモート書き込み要求に承認ヘッダーを設定します。 |
認可 |
|
Authorization は、設定されたトークンを使用して、すべてのリモート書き込みリクエストに |
OAuth 2.0 |
|
OAuth 2.0 設定は、クライアントクレデンシャル付与タイプを使用します。Prometheus は、リモート書き込みエンドポイントにアクセスするために、指定されたクライアント ID およびクライアントシークレットを使用して |
TLS クライアント |
| TLS クライアント設定は、TLS を使用してリモート書き込みエンドポイントサーバーで認証するために使用される CA 証明書、クライアント証明書、およびクライアントキーファイル情報を指定します。設定例は、CA 証明書ファイル、クライアント証明書ファイル、およびクライアントキーファイルがすでに作成されていることを前提としています。 |
3.8.2. リモート書き込み認証の設定例
次のサンプルは、リモート書き込みエンドポイントに接続するために使用できるさまざまな認証設定を示しています。各サンプルでは、認証情報やその他の関連設定を含む対応する Secret
オブジェクトを設定する方法も示しています。各サンプルは、openshift-user-workload-monitoring
namespace 内のユーザー定義プロジェクトのモニタリングで使用する認証を設定します。
例3.1 AWS 署名バージョン 4 認証のサンプル YAML
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の sigv4-credentials
という名前の sigv 4
シークレットの設定を示しています。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: sigv4-credentials namespace: openshift-user-workload-monitoring stringData: accessKey: <AWS_access_key> 1 secretKey: <AWS_secret_key> 2 type: Opaque
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の sigv4-credentials
という名前の Secret
オブジェクトを使用する AWS Signature Version 4 リモート書き込み認証のサンプルを示しています。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://authorization.example.com/api/write" sigv4: region: <AWS_region> 1 accessKey: name: sigv4-credentials 2 key: accessKey 3 secretKey: name: sigv4-credentials 4 key: secretKey 5 profile: <AWS_profile_name> 6 roleArn: <AWS_role_arn> 7
例3.2 Basic 認証のサンプル YAML
以下に、openshift-user-workload-monitoring
namespace 内の rw-basic-auth
という名前の Secret
オブジェクトの基本認証設定のサンプルを示します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: rw-basic-auth namespace: openshift-user-workload-monitoring stringData: user: <basic_username> 1 password: <basic_password> 2 type: Opaque
以下の例は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の rw-basic-auth
という名前の Secret
オブジェクトを使用する basicAuth
リモート書き込み設定を示しています。これは、エンドポイントの認証認証情報がすでに設定されていることを前提としています。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://basicauth.example.com/api/write" basicAuth: username: name: rw-basic-auth 1 key: user 2 password: name: rw-basic-auth 3 key: password 4
例3.3 Secret
オブジェクトを使用したベアラートークンによる認証のサンプル YAML
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の rw-bearer-auth
という名前の Secret
オブジェクトのベアラートークン設定を示しています。
apiVersion: v1
kind: Secret
metadata:
name: rw-bearer-auth
namespace: openshift-user-workload-monitoring
stringData:
token: <authentication_token> 1
type: Opaque
- 1
- 認証トークン。
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の rw-bearer-auth
という名前の Secret
オブジェクトを使用するベアラートークン設定マップの設定例を示しています。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | enableUserWorkload: true prometheus: remoteWrite: - url: "https://authorization.example.com/api/write" authorization: type: Bearer 1 credentials: name: rw-bearer-auth 2 key: token 3
例3.4 OAuth 2.0 認証のサンプル YAML
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の oauth2-credentials
という名前の Secret
オブジェクトの OAuth 2.0 設定のサンプルを示しています。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: oauth2-credentials namespace: openshift-user-workload-monitoring stringData: id: <oauth2_id> 1 secret: <oauth2_secret> 2 token: <oauth2_authentication_token> 3 type: Opaque
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace の oauth2-credentials
という Secret
オブジェクトを使用した oauth2
リモート書き込み認証のサンプル設定です。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://test.example.com/api/write" oauth2: clientId: secret: name: oauth2-credentials 1 key: id 2 clientSecret: name: oauth2-credentials 3 key: secret 4 tokenUrl: https://example.com/oauth2/token 5 scopes: 6 - <scope_1> - <scope_2> endpointParams: 7 param1: <parameter_1> param2: <parameter_2>
- 1 3
- 対応する
Secret
オブジェクトの名前。ClientId
はConfigMap
オブジェクトを参照することもできますが、clientSecret
はSecret
オブジェクトを参照する必要があることに注意してください。 - 2 4
- 指定された
Secret
オブジェクトの OAuth 2.0 認証情報が含まれるキー。 - 5
- 指定された
clientId
およびclientSecret
でトークンを取得するために使用される URL。 - 6
- 認可要求の OAuth 2.0 スコープ。これらのスコープは、トークンがアクセスできるデータを制限します。
- 7
- 認可サーバーに必要な OAuth 2.0 認可要求パラメーター。
例3.5 TLS クライアント認証のサンプル YAML
以下は、openshift-user-workload-monitoring
namespace 内の mtls-bundle
という名前の tls
Secret
オブジェクトに対する TLS クライアント設定のサンプルです。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: mtls-bundle namespace: openshift-user-workload-monitoring data: ca.crt: <ca_cert> 1 client.crt: <client_cert> 2 client.key: <client_key> 3 type: tls
以下の例は、mtls-bundle
という名前の TLS Secret
オブジェクトを使用する tlsConfig
リモート書き込み認証設定を示しています。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" tlsConfig: ca: secret: name: mtls-bundle 1 key: ca.crt 2 cert: secret: name: mtls-bundle 3 key: client.crt 4 keySecret: name: mtls-bundle 5 key: client.key 6
関連情報
- リモート書き込み互換性のあるエンドポイント (Thanos など) を作成する手順は、リモート書き込み互換性のあるエンドポイントの設定 を参照してください。
- 各種のユースケースごとのリモート書き込みの最適化方法は、リモート書き込みの設定 を参照してください。
3.9. クラスター ID ラベルのメトリクスへの追加
複数の Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターを管理し、リモート書き込み機能を使用してメトリクスデータをこれらのクラスターから外部ストレージの場所に送信する場合、クラスター ID ラベルを追加して、異なるクラスターから送られるメトリクスデータを特定できます。次に、これらのラベルをクエリーし、メトリクスのソースクラスターを特定し、そのデータを他のクラスターによって送信される同様のメトリクスデータと区別することができます。
これにより、複数の顧客に対して多数のクラスターを管理し、メトリクスデータを単一の集中ストレージシステムに送信する場合、クラスター ID ラベルを使用して特定のクラスターまたはお客様のメトリクスをクエリーできます。
クラスター ID ラベルの作成および使用には、以下の 3 つの一般的な手順が必要です。
- リモート書き込みストレージの書き込みラベルの設定。
- クラスター ID ラベルをメトリクスに追加します。
- これらのラベルをクエリーし、メトリクスのソースクラスターまたはカスタマーを特定します。
3.9.1. メトリクスのクラスター ID ラベルの作成
openshift-user-workload-monitoring
namespace の user-workload-monitoring-config
config map の設定を編集することで、メトリクスのクラスター ID ラベルを作成できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap オブジェクトを編集します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - リモート書き込みストレージを設定している。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml/prometheus/remoteWrite
の下にあるwriteRelabelConfigs:
セクションで、クラスター ID の再ラベル付け設定値を追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" <endpoint_authentication_credentials> writeRelabelConfigs: 1 - <relabel_config> 2
次のサンプルは、ユーザーワークロードのモニタリングでクラスター ID ラベル
cluster_id
を持つメトリクスを転送する方法を示しています。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: remoteWrite: - url: "https://remote-write-endpoint.example.com" writeRelabelConfigs: - sourceLabels: - __tmp_openshift_cluster_id__ 1 targetLabel: cluster_id 2 action: replace 3
- 1
- システムは最初に
__tmp_openshift_cluster_id__
という名前の一時的なクラスター ID ソースラベルを適用します。この一時的なラベルは、指定するクラスター ID ラベル名に置き換えられます。 - 2
- リモート書き込みストレージに送信されるメトリクスのクラスター ID ラベルの名前を指定します。メトリクスにすでに存在するラベル名を使用する場合、その値はこのクラスター ID ラベルの名前で上書きされます。ラベル名には
__tmp_openshift_cluster_id__
は使用しないでください。最後の再ラベル手順では、この名前を使用するラベルを削除します。 - 3
replace
置き換えラベルの再設定アクションは、一時ラベルを送信メトリクスのターゲットラベルに置き換えます。このアクションはデフォルトであり、アクションが指定されていない場合に適用されます。
ファイルを保存して、変更を
ConfigMap
オブジェクトに適用します。更新された設定の影響を受ける Pod は自動的に再起動します。警告モニタリング
ConfigMap
オブジェクトへの変更を保存すると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。また、変更を保存すると、そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
関連情報
- 書き込みリラベル設定の詳細は、リモート書き込みストレージの設定 を参照してください。
3.10. ユーザー定義プロジェクトでバインドされていないメトリクス属性の影響の制御
開発者は、キーと値のペアの形式でメトリクスの属性を定義するためにラベルを作成できます。使用できる可能性のあるキーと値のペアの数は、属性について使用できる可能性のある値の数に対応します。数が無制限の値を持つ属性は、バインドされていない属性と呼ばれます。たとえば、customer_id
属性は、使用できる値が無限にあるため、バインドされていない属性になります。
割り当てられるキーと値のペアにはすべて、一意の時系列があります。ラベルに多数のバインドされていない値を使用すると、作成される時系列の数が指数関数的に増加する可能性があります。これは Prometheus のパフォーマンスに影響する可能性があり、多くのディスク領域を消費する可能性があります。
dedicated-admin
は、以下の手段を使用して、ユーザー定義プロジェクトでのバインドされていないメトリクス属性の影響を制御できます。
- ユーザー定義プロジェクトでターゲット収集ごとに受け入れ可能なサンプル数を制限します。
- 収集されたラベルの数、ラベル名の長さ、およびラベル値の長さを制限します。
- 収集サンプルのしきい値に達するか、ターゲットを収集できない場合に実行されるアラートを作成します。
収集サンプルを制限すると、多くのバインドされていない属性をラベルに追加して問題が発生するのを防ぐことができます。さらに開発者は、メトリクスに定義するバインドされていない属性の数を制限することにより、根本的な原因を防ぐことができます。使用可能な値の制限されたセットにバインドされる属性を使用すると、可能なキーと値のペアの組み合わせの数が減ります。
3.10.1. ユーザー定義プロジェクトの収集サンプルおよびラベル制限の設定
ユーザー定義プロジェクトで、ターゲット収集ごとに受け入れ可能なサンプル数を制限できます。収集されたラベルの数、ラベル名の長さ、およびラベル値の長さを制限することもできます。
サンプルまたはラベルの制限を設定している場合、制限に達した後にそのターゲット収集についての追加のサンプルデータは取得されません。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
enforcedSampleLimit
設定をdata/config.yaml
に追加し、ユーザー定義プロジェクトのターゲットの収集ごとに受け入れ可能なサンプルの数を制限できます。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: enforcedSampleLimit: 50000 1
- 1
- このパラメーターが指定されている場合は、値が必要です。この
enforcedSampleLimit
の例では、ユーザー定義プロジェクトのターゲット収集ごとに受け入れ可能なサンプル数を 50,000 に制限します。
enforcedLabelLimit
、enforcedLabelNameLengthLimit
、およびenforcedLabelValueLengthLimit
設定をdata/config.yaml
に追加し、収集されるラベルの数、ラベル名の長さ、およびユーザー定義プロジェクトでのラベル値の長さを制限します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: enforcedLabelLimit: 500 1 enforcedLabelNameLengthLimit: 50 2 enforcedLabelValueLengthLimit: 600 3
変更を適用するためにファイルを保存します。制限は自動的に適用されます。
警告変更が
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトに保存されると、openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Pod および他のリソースは再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
第4章 外部 Alertmanager インスタンスの設定
Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングスタックには、Prometheus からアラートをルーティングするローカル Alertmanager インスタンスが含まれています。外部 Alertmanager インスタンスを追加して、ユーザー定義プロジェクトのアラートをルーティングできます。
複数のクラスターに同じ外部 Alertmanager 設定を追加し、クラスターごとにローカルインスタンスを無効にする場合には、単一の外部 Alertmanager インスタンスを使用して複数のクラスターのアラートルーティングを管理できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
config map を編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
-
data/config.yaml/
の下に<component>/additionalAlertmanagerConfigs:
セクションを追加します。 このセクションに別の Alertmanager 設定の詳細情報を追加します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: additionalAlertmanagerConfigs: - <alertmanager_specification>
<component>
には、サポート対象の外部 Alertmanager コンポーネント (prometheus
またはthanosRuler
)2 つの内、いずれかに置き換えます。<alertmanager_specification>
は、追加の Alertmanager インスタンスの認証およびその他の設定の詳細を置き換えます。現時点で、サポートされている認証方法はベアラートークン (bearerToken
) およびクライアント TLS(tlsConfig
) です。以下の config map は、ベアラートークンおよびクライアント TLS 認証を指定した Thanos Ruler を使用して追加の Alertmanager を設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: additionalAlertmanagerConfigs: - scheme: https pathPrefix: / timeout: "30s" apiVersion: v1 bearerToken: name: alertmanager-bearer-token key: token tlsConfig: key: name: alertmanager-tls key: tls.key cert: name: alertmanager-tls key: tls.crt ca: name: alertmanager-tls key: tls.ca staticConfigs: - external-alertmanager1-remote.com - external-alertmanager1-remote2.com
-
ファイルを保存して、変更を
ConfigMap
オブジェクトに適用します。新しいコンポーネントの配置設定が自動的に適用されます。 -
ファイルを保存して、変更を
ConfigMap
オブジェクトに適用します。新しいコンポーネントの配置設定が自動的に適用されます。
第5章 Alertmanager のシークレットの設定
Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングスタックには、Prometheus からエンドポイントレシーバーにアラートをルーティングする Alertmanager が含まれています。Alertmanager がアラートを送信できるようにレシーバーで認証する必要がある場合は、レシーバーの認証認証情報を含むシークレットを使用するように Alertmanager を設定できます。
たとえば、シークレットを使用して、プライベート認証局 (CA) によって発行された証明書を必要とするエンドポイント受信者を認証するように Alertmanager を設定できます。また、基本 HTTP 認証用のパスワードファイルを必要とする受信者で認証するためにシークレットを使用するように Alertmanager を設定することもできます。いずれの場合も、認証の詳細は ConfigMap
オブジェクトではなく Secret
オブジェクトに含まれています。
5.1. Alertmanager 設定へのシークレットの追加
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの user-workload-monitoring-config
config map を編集することで、ユーザー定義プロジェクトの Alertmanager 設定にシークレットを追加できます。
config map にシークレットを追加すると、シークレットは、Alertmanager Pod の alertmanager
コンテナー内の /etc/alertmanager/secrets/<secret_name>
にボリュームとしてマウントされます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Alertmanager で設定するシークレットを作成しました。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
config map を編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml/alertmanager/secrets
の下にSecrets:
セクションを次の設定で追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | alertmanager: secrets: 1 - <secret_name_1> 2 - <secret_name_2>
次の config map 設定の例では、
test-secret
およびtest-secret-api-token
という名前の 2 つのSecret
オブジェクトを使用するように Alertmanager を設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | alertmanager: enabled: true secrets: - test-secret - test-api-receiver-token
-
ファイルを保存して、変更を
ConfigMap
オブジェクトに適用します。新しい設定は自動的に適用されます。
5.2. 追加ラベルの時系列 (time series) およびアラートへの割り当て
Prometheus の外部ラベル機能を使用して、Prometheus から送信されるすべての時系列とアラートにカスタムラベルを付けることができます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml
の下にすべてのメトリクスについて追加する必要のあるラベルのマップを定義します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: externalLabels: <key>: <value> 1
- 1
<key>: <value>
をキーと値のペアのマップに置き換えます。ここで、<key>
は新規ラベルの一意の名前で、<value>
はその値になります。
警告-
prometheus
またはprometheus_replica
は予約され、上書きされるため、これらをキー名として使用しないでください。 -
キー名に
cluster
またはmanaged_cluster
を使用しないでください。これらを使用すると、開発者ダッシュボードでデータが表示されなくなる問題が発生する可能性があります。
注記openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでは、Prometheus はメトリクスを処理し、Thanos Ruler はアラートおよび記録ルールを処理します。user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトでprometheus
のexternalLabels
を設定すると、すべてのルールではなく、メトリクスの外部ラベルのみが設定されます。たとえば、リージョンと環境に関するメタデータを、ユーザー定義プロジェクトに関連するすべての時系列とアラートに追加するには、次の例を使用します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: externalLabels: region: eu environment: prod
変更を適用するためにファイルを保存します。新しい設定は自動的に適用されます。
警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
第6章 モニタリングのための Pod トポロジー分散制約の使用
Red Hat OpenShift Service on AWS Pod が複数のアベイラビリティーゾーンにデプロイされている場合、Pod トポロジー分散制約を使用して、ユーザー定義のモニタリング用の Pod がネットワークトポロジー全体にどのように分散されるかを制御できます。
Pod トポロジーの分散制約は、ノードがリージョンやリージョン内のゾーンなど、さまざまなインフラストラクチャーレベルに分散している階層トポロジー内で Pod のスケジューリングを制御するのに適しています。さらに、さまざまなゾーンで Pod をスケジュールできるため、特定のシナリオでネットワーク遅延を改善できます。
6.1. Pod トポロジー分散制約の設定
ユーザー定義のモニタリング用にすべての Pod に対して Pod トポロジーの拡散制約を設定し、ゾーン全体のノードに Pod レプリカをスケジュールする方法を制御できます。これにより、ワークロードが異なるデータセンターまたは階層型インフラストラクチャーゾーンのノードに分散されるため、Pod の可用性が高まり、より効率的に実行されるようになります。
user-workload-monitoring-config
config map を使用して、Pod を監視するための Pod トポロジーの分散制約を設定できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
config map を編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
Pod トポロジーの分散制約を設定するには、
data/config.yaml
フィールドの下に次の設定を追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: 1 topologySpreadConstraints: - maxSkew: <n> 2 topologyKey: <key> 3 whenUnsatisfiable: <value> 4 labelSelector: 5 <match_option>
- 1
- Pod トポロジーの分散制約を設定するコンポーネントの名前を指定します。
- 2
maxSkew
の数値を指定します。これは、どの程度まで Pod が不均等に分散されることを許可するか定義します。- 3
topologyKey
にノードラベルのキーを指定します。このキーと同じ値のラベルを持つノードは、同じトポロジーにあると見なされます。スケジューラーは、各ドメインにバランスの取れた数の Pod を配置しようとします。- 4
whenUnsatisfiable
の値を指定します。利用可能なオプションはDoNotSchedule
とScheduleAnyway
です。maxSkew
値で、ターゲットトポロジー内の一致する Pod の数とグローバル最小値との間で許容される最大差を定義する場合は、DoNotSchedule
を指定します。スケジューラーが引き続き Pod をスケジュールするが、スキューを減らす可能性のあるノードにより高い優先度を与える場合は、ScheduleAnyway
を指定します。- 5
- 一致する Pod を見つけるには、
labelSelector
を指定します。このラベルセレクターに一致する Pod は、対応するトポロジードメイン内の Pod の数を決定するためにカウントされます。
Thanos Ruler の設定例
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | thanosRuler: topologySpreadConstraints: - maxSkew: 1 topologyKey: monitoring whenUnsatisfiable: ScheduleAnyway labelSelector: matchLabels: app.kubernetes.io/name: thanos-ruler
ファイルを保存して、変更を自動的に適用します。
警告変更が
user-workload-monitoring-config
config map に保存されると、openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Pod および他のリソースは再デプロイされる可能性があります。そのプロジェクトで実行中のモニタリングプロセスも再起動する場合があります。
6.2. モニタリングコンポーネントのログレベルの設定
Alertmanager、Prometheus Operator、Prometheus および Thanos Ruler のログレベルを設定できます。
次のログレベルは、user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトの関連コンポーネントに適用できます。
-
debug
:デバッグ、情報、警告、およびエラーメッセージをログに記録します。 -
info
:情報、警告およびエラーメッセージをログに記録します。 -
warn
:警告およびエラーメッセージのみをログに記録します。 -
error
:エラーメッセージのみをログに記録します。
デフォルトのログレベルは info
です。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ConfigMap
オブジェクトを編集します。openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
コンポーネントの
logLevel: <log_level>
をdata/config.yaml
の下に追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | <component>: 1 logLevel: <log_level> 2
変更を適用するためにファイルを保存します。ログレベルの変更を適用する際に、コンポーネントの Pod は自動的に再起動します。
警告変更がモニタリング config map に保存されると、関連するプロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる可能性があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
関連するプロジェクトでデプロイメントまたは Pod 設定を確認し、ログレベルが適用されていることを確認します。以下の例では、
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトのprometheus-operator
デプロイメントでログレベルを確認します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring get deploy prometheus-operator -o yaml | grep "log-level"
出力例
- --log-level=debug
コンポーネントの Pod が実行中であることを確認します。以下の例は、
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Pod のステータスをリスト表示します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring get pods
注記認識されない
logLevel
値がConfigMap
オブジェクトに含まれる場合は、コンポーネントの Pod が正常に再起動しない可能性があります。
6.3. Prometheus のクエリーログファイルの有効化
エンジンによって実行されたすべてのクエリーをログファイルに書き込むように Prometheus を設定できます。
ログローテーションはサポートされていないため、問題のトラブルシューティングが必要な場合にのみ、この機能を一時的に有効にします。トラブルシューティングが終了したら、ConfigMap
オブジェクトに加えた変更を元に戻してクエリーログを無効にし、機能を有効にします。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトでuser-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml
の下のprometheus
のqueryLogFile: <path>
を追加します:apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | prometheus: queryLogFile: <path> 1
- 1
- クエリーがログに記録されるファイルへのフルパス。
変更を適用するためにファイルを保存します。
警告monitoring config map への変更を保存すると、関連プロジェクトの Pod およびその他のリソースが再デプロイされる場合があります。該当するプロジェクトの実行中のモニタリングプロセスも再起動する可能性があります。
コンポーネントの Pod が実行中であることを確認します。以下の例は、
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトの Pod のステータスを一覧表示します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring get pods
クエリーログを読みます。
$ oc -n openshift-user-workload-monitoring exec prometheus-user-workload-0 -- cat <path>
重要ログに記録されたクエリー情報を確認した後、config map の設定を元に戻します。
第7章 ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの無効化
dedicated-admin
として、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを無効にすることができます。ユーザーのワークロードモニタリングから個々のプロジェクトを除外することもできます。
7.1. ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの無効化
デフォルトでは、ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっています。ユーザー定義プロジェクトのモニタリングにビルトインモニタリングスタックを使用したくない場合は、それを無効にすることができます。
前提条件
- OpenShift Cluster Manager にログインしている。
手順
- OpenShift Cluster Manager Hybrid Cloud Console からクラスターを選択します。
- Settings タブをクリックします。
Enable user workload monitoring チェックボックスをクリックしてオプションの選択を解除し、Save をクリックします。
ユーザーのワークロードモニタリングは無効になっています。Prometheus、Prometheus Operator、および Thanos Ruler コンポーネントは、
openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトで停止されます。
7.2. モニタリングからのユーザー定義のプロジェクトを除く
ユーザー定義のプロジェクトは、ユーザーワークロードモニタリングから除外できます。これを実行するには、openshift.io/user-monitoring
ラベルに false
を指定して、プロジェクトの namespace に追加します。
手順
ラベルをプロジェクト namespace に追加します。
$ oc label namespace my-project 'openshift.io/user-monitoring=false'
モニタリングを再度有効にするには、namespace からラベルを削除します。
$ oc label namespace my-project 'openshift.io/user-monitoring-'
注記プロジェクトにアクティブなモニタリングターゲットがあった場合、ラベルを追加した後、Prometheus がそれらのスクレイピングを停止するまでに数分かかる場合があります。
第8章 ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングの有効化
Red Hat OpenShift Service on AWS では、dedicated-admin
によりユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを有効にすることができます。このプロセスは、以下の 2 つの一般的な手順で設定されています。
- ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを有効にして、別の Alertmanager インスタンスを使用します。
- ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを設定するための権限をユーザーに付与します。
これらの手順を完了すると、開発者およびその他のユーザーはユーザー定義のプロジェクトのカスタムアラートおよびアラートルーティングを設定できます。
8.1. ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングについて
dedicated-admin
として、ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを有効にすることができます。この機能により、alert-routing-edit ロールを持つユーザーがユーザー定義プロジェクトのアラート通知ルーティングおよびレシーバーを設定できます。これらの通知は、ユーザー定義の監視専用の Alertmanager インスタンスによってルーティングされます。
次に、ユーザーはユーザー定義プロジェクトの AlertmanagerConfig
オブジェクトを作成または編集して、ユーザー定義のアラートルーティングを作成し、設定できます。
ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングをユーザーが定義すると、ユーザー定義のアラート通知が openshift-user-workload-monitoring
namespace の alertmanager-user-workload
Pod にルーティングされます。
以下は、ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングの制限です。
-
ユーザー定義のアラートルールの場合、ユーザー定義のルーティングはリソースが定義される namespace に対してスコープ指定されます。たとえば、namespace
ns1
のルーティング設定は、同じ namespace のPrometheusRules
リソースにのみ適用されます。 -
namespace がユーザー定義のモニタリングから除外される場合、namespace の
AlertmanagerConfig
リソースは、Alertmanager 設定の一部ではなくなります。
8.2. ユーザー定義のアラートルーティング用の個別の Alertmanager インスタンスの有効化
Red Hat OpenShift Service on AWS では、ユーザー定義プロジェクト専用の Alertmanager インスタンスをデプロイして、デフォルトのプラットフォームアラートとは別のユーザー定義アラートを提供できます。このような場合は、必要に応じて、Alertmanager の別のインスタンスを有効にして、ユーザー定義のプロジェクトのみにアラートを送信できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring edit configmap user-workload-monitoring-config
data/config.yaml
の下にあるalertmanager
セクションにenabled: true
およびenableAlertmanagerConfig: true
を追加します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: user-workload-monitoring-config namespace: openshift-user-workload-monitoring data: config.yaml: | alertmanager: enabled: true 1 enableAlertmanagerConfig: true 2
- 1
enabled
の値をtrue
に設定して、クラスター内のユーザー定義プロジェクトの Alertmanager の専用インスタンスを有効にします。値をfalse
に設定するか、キーを完全に省略してユーザー定義プロジェクトの Alertmanager を無効にします。この値をfalse
に設定した場合や、キーを省略すると、ユーザー定義のアラートはデフォルトのプラットフォーム Alertmanager インスタンスにルーティングされます。- 2
enableAlertmanagerConfig
値をtrue
に設定して、ユーザーがAlertmanagerConfig
オブジェクトで独自のアラートルーティング設定を定義できるようにします。
- 変更を適用するためにファイルを保存します。ユーザー定義プロジェクトの Alertmanager の専用インスタンスが自動的に起動します。
検証
alert-manager-user-workload
Pod が実行されていることを確認します。# oc -n openshift-user-workload-monitoring get pods
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE alertmanager-user-workload-0 6/6 Running 0 38s alertmanager-user-workload-1 6/6 Running 0 38s ...
8.3. ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを設定するためのユーザーへの権限の付与
ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを設定する権限をユーザーに付与できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトが存在します。このオブジェクトは、クラスターの作成時にデフォルトで作成されます。 - ロールを割り当てるユーザーアカウントがすでに存在している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ユーザー定義プロジェクトのユーザーに
alert-routing-edit
クラスターロールを割り当てます。$ oc -n <namespace> adm policy add-role-to-user alert-routing-edit <user> 1
- 1
<namespace>
の場合は、ユーザー定義プロジェクトの代わりに namespace を使用します (例:ns1
)。<user>
の場合は、ロールを割り当てるアカウントの代わりにユーザー名を使用します。
8.4. 次のステップ
第9章 メトリクスの管理
メトリクスを使用すると、クラスターコンポーネントおよび独自のワークロードのパフォーマンスをモニターできます。
9.1. メトリクスについて
Red Hat OpenShift Service on AWS では、クラスターコンポーネントはサービスエンドポイントで公開されるメトリックを収集することによりモニターされます。ユーザー定義プロジェクトのメトリックのコレクションを設定することもできます。メトリクスを使用すると、クラスターコンポーネントおよび独自のワークロードの実行方法をモニターできます。
Prometheus クライアントライブラリーをアプリケーションレベルで使用することで、独自のワークロードに指定するメトリックを定義できます。
Red Hat OpenShift Service on AWS では、メトリックは /metrics
の正規の名前の下に HTTP サービスエンドポイント経由で公開されます。curl
クエリーを http://<endpoint>/metrics
に対して実行して、サービスの利用可能なすべてのメトリックをリスト表示できます。たとえば、prometheus-example-app
サンプルアプリケーションへのルートを公開し、以下のコマンドを実行して利用可能なすべてのメトリクスを表示できます。
$ curl http://<example_app_endpoint>/metrics
出力例
# HELP http_requests_total Count of all HTTP requests # TYPE http_requests_total counter http_requests_total{code="200",method="get"} 4 http_requests_total{code="404",method="get"} 2 # HELP version Version information about this binary # TYPE version gauge version{version="v0.1.0"} 1
9.2. ユーザー定義プロジェクトのメトリクスコレクションの設定
ServiceMonitor
リソースを作成して、ユーザー定義プロジェクトのサービスエンドポイントからメトリクスを収集できます。これは、アプリケーションが Prometheus クライアントライブラリーを使用してメトリクスを /metrics
の正規の名前に公開していることを前提としています。
このセクションでは、ユーザー定義のプロジェクトでサンプルサービスをデプロイし、次にサービスのモニター方法を定義する ServiceMonitor
リソースを作成する方法を説明します。
9.2.1. サンプルサービスのデプロイ
ユーザー定義のプロジェクトでサービスのモニタリングをテストするには、サンプルサービスをデプロイできます。
手順
-
サービス設定の YAML ファイルを作成します。この例では、
prometheus-example-app.yaml
という名前です。 以下のデプロイメントおよびサービス設定の詳細をファイルに追加します。
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: ns1 --- apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: labels: app: prometheus-example-app name: prometheus-example-app namespace: ns1 spec: replicas: 1 selector: matchLabels: app: prometheus-example-app template: metadata: labels: app: prometheus-example-app spec: containers: - image: ghcr.io/rhobs/prometheus-example-app:0.4.2 imagePullPolicy: IfNotPresent name: prometheus-example-app --- apiVersion: v1 kind: Service metadata: labels: app: prometheus-example-app name: prometheus-example-app namespace: ns1 spec: ports: - port: 8080 protocol: TCP targetPort: 8080 name: web selector: app: prometheus-example-app type: ClusterIP
この設定は、
prometheus-example-app
という名前のサービスをユーザー定義のns1
プロジェクトにデプロイします。このサービスは、カスタムversion
メトリクスを公開します。設定をクラスターに適用します。
$ oc apply -f prometheus-example-app.yaml
サービスをデプロイするには多少時間がかかります。
Pod が実行中であることを確認できます。
$ oc -n ns1 get pod
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE prometheus-example-app-7857545cb7-sbgwq 1/1 Running 0 81m
9.2.2. サービスのモニター方法の指定
サービスが公開するメトリックを使用するには、Red Hat OpenShift Service on AWS を、/metrics
エンドポイントからメトリックを収集できるように設定する必要があります。これは、サービスのモニタリング方法を指定する ServiceMonitor
カスタムリソース定義、または Pod のモニタリング方法を指定する PodMonitor
CRD を使用して実行できます。前者の場合は Service
オブジェクトが必要ですが、後者の場合は不要です。これにより、Prometheus は Pod によって公開されるメトリクスエンドポイントからメトリクスを直接収集することができます。
この手順では、ユーザー定義プロジェクトでサービスの ServiceMonitor
リソースを作成する方法を説明します。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールまたはmonitoring-edit
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 この例では、
prometheus-example-app
サンプルサービスをns1
プロジェクトにデプロイしている。注記prometheus-example-app
サンプルサービスは TLS 認証をサポートしません。
手順
-
ServiceMonitor
リソース設定の YAML ファイルを作成します。この例では、ファイルはexample-app-service-monitor.yaml
という名前です。 以下の
ServiceMonitor
リソース設定の詳細を追加します。apiVersion: monitoring.coreos.com/v1 kind: ServiceMonitor metadata: labels: k8s-app: prometheus-example-monitor name: prometheus-example-monitor namespace: ns1 spec: endpoints: - interval: 30s port: web scheme: http selector: matchLabels: app: prometheus-example-app
これは、
prometheus-example-app
サンプルサービスによって公開されるメトリクスを収集するServiceMonitor
リソースを定義します。これにはversion
メトリクスが含まれます。注記ユーザー定義の namespace の
ServiceMonitor
リソースは、同じ namespace のサービスのみを検出できます。つまり、ServiceMonitor
リソースのnamespaceSelector
フィールドは常に無視されます。設定をクラスターに適用します。
$ oc apply -f example-app-service-monitor.yaml
ServiceMonitor
をデプロイするのに多少時間がかかります。ServiceMonitor
リソースが実行中であることを確認できます。$ oc -n ns1 get servicemonitor
出力例
NAME AGE prometheus-example-monitor 81m
9.3. メトリクスのクエリー
Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングダッシュボードを使用すると、Prometheus Query Language (PromQL) クエリーを実行して、プロット上に視覚化されたメトリクスを調べることができます。この機能により、クラスターの状態と、モニターしているユーザー定義のワークロードに関する情報が提供されます。
dedicated-admin
として、ユーザー定義プロジェクトに関するメトリクスに対して、一度に 1 つ以上の namespace をクエリーできます。
開発者として、メトリクスのクエリー時にプロジェクト名を指定する必要があります。選択したプロジェクトのメトリクスを表示するには、必要な権限が必要です。
9.3.1. クラスター管理者としてのすべてのプロジェクトのメトリクスのクエリー
dedicated-admin
またはすべてのプロジェクトの表示パーミッションを持つユーザーとして、メトリクス UI ですべてのデフォルト Red Hat OpenShift Service on AWS およびユーザー定義プロジェクトのメトリクスにアクセスできます。
専任の管理者のみが、Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングで提供されるサードパーティーの UI にアクセスできます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールまたはすべてのプロジェクトの表示パーミッションを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Administrator パースペクティブから、Observe → Metrics を選択します。
1 つ以上のクエリーを追加するには、次のいずれかを実行します。
オプション 説明 カスタムクエリーを作成します。
Prometheus Query Language (PromQL) クエリーを Expression フィールドに追加します。
PromQL 式を入力すると、オートコンプリートの提案がドロップダウンリストに表示されます。これらの提案には、関数、メトリクス、ラベル、および時間トークンが含まれます。キーボードの矢印を使用して提案された項目のいずれかを選択し、Enter を押して項目を式に追加できます。また、マウスポインターを推奨項目の上に移動して、その項目の簡単な説明を表示することもできます。
複数のクエリーを追加します。
クエリーの追加 を選択します。
既存のクエリーを複製します。
オプションメニューを選択します クエリーの横にある Duplicate query を選択します。
クエリーの実行を無効にします。
オプションメニューを選択します クエリーの横にある Disable query を選択します。
作成したクエリーを実行するには、Run queries を選択します。クエリーからのメトリクスはプロットで可視化されます。クエリーが無効な場合は、UI にエラーメッセージが表示されます。
注記大量のデータで動作するクエリーは、時系列グラフの描画時にタイムアウトするか、ブラウザーをオーバーロードする可能性があります。これを回避するには、Hide graph を選択し、メトリクステーブルのみを使用してクエリーを調整します。次に、使用できるクエリーを確認した後に、グラフを描画できるようにプロットを有効にします。
注記デフォルトでは、クエリーテーブルに、すべてのメトリクスとその現在の値をリスト表示する拡張ビューが表示されます。˅ を選択すると、クエリーの拡張ビューを最小にすることができます。
- オプション: ページ URL には、実行したクエリーが含まれます。このクエリーのセットを再度使用できるようにするには、この URL を保存します。
視覚化されたメトリクスを調べます。最初に、有効な全クエリーの全メトリクスがプロットに表示されます。次のいずれかを実行して、表示するメトリクスを選択できます。
オプション 説明 クエリーからすべてのメトリクスを非表示にします。
オプションメニューをクリックします クエリーを選択し、Hide all series をクリックします。
特定のメトリクスを非表示にします。
クエリーテーブルに移動し、メトリクス名の近くにある色付きの四角形をクリックします。
プロットを拡大し、時間範囲を変更します。
次のいずれかになります。
- プロットを水平にクリックし、ドラッグして、時間範囲を視覚的に選択します。
- 左上隅のメニューを使用して、時間範囲を選択します。
時間範囲をリセットします。
Reset zoom を選択します。
特定の時点でのすべてのクエリーの出力を表示します。
その時点でプロット上にマウスカーソルを置きます。クエリーの出力はポップアップに表示されます。
プロットを非表示にします。
Hide graph を選択します。
関連情報
- PromQL クエリーの作成に関する詳細は、Prometheus クエリーについてのドキュメント を参照してください。
9.3.2. 開発者が行うユーザー定義プロジェクトのメトリクスのクエリー
ユーザー定義のプロジェクトのメトリクスには、開発者またはプロジェクトの表示権限を持つユーザーとしてアクセスできます。
Developer パースペクティブには、選択したプロジェクトの事前に定義された CPU、メモリー、帯域幅、およびネットワークパケットのクエリーが含まれます。また、プロジェクトの CPU、メモリー、帯域幅、ネットワークパケット、およびアプリケーションメトリクスについてカスタム Prometheus Query Language (PromQL) クエリーを実行することもできます。
開発者は Developer パースペクティブのみを使用でき、Administrator パースペクティブは使用できません。開発者は、1 度に 1 つのプロジェクトのメトリクスのみをクエリーできます。開発者は Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングで提供されるサードパーティーの UI にアクセスできません。
前提条件
- 開発者として、またはメトリクスで表示しているプロジェクトの表示権限を持つユーザーとしてクラスターへのアクセスがある。
- ユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にしている。
- ユーザー定義プロジェクトにサービスをデプロイしている。
-
サービスのモニター方法を定義するために、サービスの
ServiceMonitor
カスタムリソース定義 (CRD) を作成している。
手順
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe → Metrics を選択します。
- Project: 一覧でメトリクスで表示するプロジェクトを選択します。
Select query 一覧からクエリーを選択するか、Show PromQL を選択して、選択したクエリーに基づいてカスタム PromQL クエリーを作成します。クエリーからのメトリクスはプロットで可視化されます。
注記Developer パースペクティブでは、1 度に 1 つのクエリーのみを実行できます。
次のいずれかを実行して、視覚化されたメトリクスを調べます。
オプション 説明 プロットを拡大し、時間範囲を変更します。
次のいずれかになります。
- プロットを水平にクリックし、ドラッグして、時間範囲を視覚的に選択します。
- 左上隅のメニューを使用して、時間範囲を選択します。
時間範囲をリセットします。
Reset zoom を選択します。
特定の時点でのすべてのクエリーの出力を表示します。
その時点でプロット上にマウスカーソルを置きます。クエリーの出力はポップアップに表示されます。
関連情報
- PromQL クエリーの作成に関する詳細は、Prometheus クエリーについてのドキュメント を参照してください。
9.4. メトリクスターゲットに関する詳細情報の取得を参照してください。
Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Administrator パースペクティブでは、Metrics Targets ページを使用して、現在スクレイピングの対象となっているエンドポイントを表示、検索、およびフィルタリングできます。これは、問題の特定とトラブルシューティングに役立ちます。たとえば、ターゲットエンドポイントの現在のステータスを表示して、Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングがターゲットコンポーネントからメトリクスを取得できないのはいつなのかを確認できます。
Metrics targets ページには、ユーザー定義プロジェクトのターゲットが表示されます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
Administrator パースペクティブで、Observe → Targets を選択します。Metrics targets ページが開き、メトリクス用にスクレイピングされているすべてのサービスエンドポイントターゲットのリストが表示されます。
このページには、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS およびユーザー定義プロジェクトのターゲットの詳細が表示されます。このページには、ターゲットごとに以下の情報がリスト表示されます。
- スクレイピングされるサービスエンドポイント URL
- モニター対象の ServiceMonitor コンポーネント
- ターゲットの アップ または ダウン ステータス
- Namespace
- 最後のスクレイプ時間
- 最後のスクレイピングの継続期間
オプション: メトリクスターゲットのリストは長くなる場合があります。特定のターゲットを見つけるには、次のいずれかを実行します。
オプション 説明 ステータスとソースによってターゲットをフィルタリングします。
Filter リストでフィルターを選択します。
以下のフィルタリングオプションが利用できます。
ステータス フィルター:
- Up.ターゲットは現在 up で、メトリクスに対してアクティブにスクレイピングされています。
- Down.ターゲットは現在 down しており、メトリクス用にスクレイピングされていません。
Source フィルター:
- Platform。プラットフォームレベルのターゲットは、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトにのみ該当します。これらのプロジェクトは、Red Hat OpenShift Service on AWS のコア機能を提供します。
- User。ユーザーターゲットは、ユーザー定義プロジェクトに関連します。これらのプロジェクトはユーザーが作成したもので、カスタマイズすることができます。
名前またはラベルでターゲットを検索します。
検索ボックスの横にある Text または Label フィールドに検索語を入力します。
ターゲットを並べ替えます。
Endpoint Status、Namespace、Last Scrape、および Scrape Duration 列ヘッダーの 1 つ以上をクリックします。
ターゲットの Endpoint 列の URL をクリックし、Target details ページに移動します。このページには、次のようなターゲットに関する情報が表示されます。
- メトリクスのためにスクレイピングされているエンドポイント URL
- 現在のターゲットのステータス (Up または Down)
- namespace へのリンク
- ServiceMonitor の詳細へのリンク
- ターゲットに割り当てられたラベル
- ターゲットがメトリクス用にスクレイピングされた直近の時間
第10章 アラートの管理
Red Hat OpenShift Service on AWS 4 では、アラート UI を使用して、アラート、サイレンス、およびアラートルールを管理できます。
- アラートルール。アラートルールには、クラスター内の特定の状態を示す一連の条件が含まれます。アラートは、これらの条件が true の場合にトリガーされます。アラートルールには、アラートのルーティング方法を定義する重大度を割り当てることができます。
- アラート。アラートは、アラートルールで定義された条件が true の場合に発生します。アラートは、Red Hat OpenShift Service on AWS クラスター内で一連の状況が明らかであることを通知します。
- サイレンス。サイレンスをアラートに適用し、アラートの条件が true の場合に通知が送信されることを防ぐことができます。初期通知後はアラートをミュートにして、根本的な問題の解決に取り組むことができます。
アラート UI で利用可能なアラート、サイレンス、およびアラートルールは、アクセス可能なプロジェクトに関連付けられます。たとえば、cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてログインしている場合は、すべてのアラート、サイレント、およびアラートルールにアクセスできます。
管理者以外のユーザーは、次のユーザーロールが割り当てられていれば、アラートを作成して無効にできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
cluster-monitoring-view
クラスターロール。 -
monitoring-alertmanager-edit
ロール。これにより、Web コンソールの Administrator パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。 -
monitoring-rules-edit
クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。
10.1. Administrator および Developer パースペクティブでのアラート UI へのアクセス
アラート UI には、Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Administrator パースペクティブおよび Developer パースペクティブからアクセスできます。
- Administrator パースペクティブで、Observe → Alerting に移動します。このパースペクティブのアラート UI には主要なページが 3 つあり、それが Alerts ページ、Silences ページ、Alerting rules ページです。
- Developer パースペクティブで、Observe → <project_name> → Alerts に移動します。このパースペクティブのアラートでは、サイレンスおよびアラートルールはすべて Alerts ページで管理されます。Alerts ページに表示される結果は、選択されたプロジェクトに固有のものです。
Develper パースペクティブでは、Project: <project_name> リストでアクセス権のあるコア Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトおよびユーザー定義プロジェクトから選択できます。ただし、クラスター管理者としてログインしていない場合、コア Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトに関連するアラート、サイレンスよびアラートルールは表示されません。
10.2. アラート、サイレンスおよびアラートルールの検索およびフィルター
アラート UI に表示されるアラート、サイレンス、およびアラートルールをフィルターできます。このセクションでは、利用可能なフィルターオプションのそれぞれについて説明します。
アラートフィルターについて
管理者 パースペクティブでは、アラート UI の アラート ページに、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS およびユーザー定義プロジェクトに関連するアラートの詳細が表示されます。このページには、各アラートの重大度、状態、およびソースの概要が含まれます。アラートが現在の状態に切り替わった時間も表示されます。
アラートの状態、重大度、およびソースでフィルターできます。デフォルトでは、Firing の Platform アラートのみが表示されます。以下では、それぞれのアラートフィルターオプションについて説明します。
State フィルター:
-
Firing。アラート条件が true で、オプションの
for
の期間を経過しているためにアラートが実行されます。条件が true である間、アラートの発生が続きます。 - Pending。アラートはアクティブですが、アラート実行前のアラートルールに指定される期間待機します。
- Silenced。アラートは定義された期間についてサイレンスにされるようになりました。定義するラベルセレクターのセットに基づいてアラートを一時的にミュートします。リストされたすべての値または正規表現に一致するアラートの土は送信されません。
-
Firing。アラート条件が true で、オプションの
Severity フィルター:
- Critical。アラートをトリガーした状態は重大な影響を与える可能性があります。このアラートには、実行時に早急な対応が必要となり、通常は個人または緊急対策チーム (Critical Response Team) に送信先が設定されます。
- Warning。アラートは、問題の発生を防ぐために注意が必要になる可能性のある問題についての警告通知を提供します。通常、警告は早急な対応を要さないレビュー用にチケットシステムにルート指定されます。
- Info。アラートは情報提供のみを目的として提供されます。
- None。アラートには重大度が定義されていません。
- また、ユーザー定義プロジェクトに関連するアラートの重大度の定義を作成することもできます。
Source フィルター:
- Platform。プラットフォームレベルのアラートは、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトにのみ該当します。これらのプロジェクトは、Red Hat OpenShift Service on AWS のコア機能を提供します。
- User。ユーザーアラートはユーザー定義のプロジェクトに関連します。これらのアラートはユーザーによって作成され、カスタマイズ可能です。ユーザー定義のワークロードモニタリングはインストール後に有効にでき、独自のワークロードへの可観測性を提供します。
サイレンスフィルターについて
Administrator パースペクティブでは、アラート UI の Silences ページに、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS およびユーザー定義プロジェクトのアラートに適用されるサイレンスに関する詳細が表示されます。このページには、それぞれのサイレンスの状態の概要とサイレンスが終了する時間の概要が含まれます。
サイレンス状態でフィルターを実行できます。デフォルトでは、Active および Pending のサイレンスのみが表示されます。以下は、それぞれのサイレンス状態のフィルターオプションについて説明しています。
State フィルター:
- Active。サイレンスはアクティブで、アラートはサイレンスが期限切れになるまでミュートされます。
- Pending。サイレンスがスケジュールされており、アクティブな状態ではありません。
- Expiredアラートの条件が true の場合は、サイレンスが期限切れになり、通知が送信されます。
アラートルールフィルターについて
Administrator パースペクティブでは、アラート UI の Alerting Rules ページには、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS およびユーザー定義プロジェクトに関連するアラートルールの詳細が示されます。このページには、各アラートルールの状態、重大度およびソースの概要が含まれます。
アラート状態、重大度、およびソースを使用してアラートルールをフィルターできます。デフォルトでは、プラットフォームのアラートルールのみが表示されます。以下では、それぞれのアラートルールのフィルターオプションを説明します。
Alert state フィルター:
-
Firing。アラート条件が true で、オプションの
for
の期間を経過しているためにアラートが実行されます。条件が true である間、アラートの発生が続きます。 - Pending。アラートはアクティブですが、アラート実行前のアラートルールに指定される期間待機します。
- Silenced。アラートは定義された期間についてサイレンスにされるようになりました。定義するラベルセレクターのセットに基づいてアラートを一時的にミュートします。リストされたすべての値または正規表現に一致するアラートの土は送信されません。
- Not Firingアラートは実行されません。
-
Firing。アラート条件が true で、オプションの
Severity フィルター:
- Critical。アラートルールで定義される状態は重大な影響を与える可能性があります。true の場合は、この状態に早急な対応が必要です。通常、ルールに関連するアラートは個別または緊急対策チーム (Critical Response Team) に送信先が設定されます。
- Warning。アラートルールで定義される状態は、問題の発生を防ぐために注意を要する場合があります。通常、ルールに関連するアラートは早急な対応を要さないレビュー用にチケットシステムにルート指定されます。
- Info。アラートルールは情報アラートのみを提供します。
- None。アラートルールには重大度が定義されていません。
- ユーザー定義プロジェクトに関連するアラートルールのカスタム重大度定義を作成することもできます。
Source フィルター:
- Platform。プラットフォームレベルのアラートルールは、デフォルトの Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトにのみ該当します。これらのプロジェクトは、Red Hat OpenShift Service on AWS のコア機能を提供します。
- User。ユーザー定義のワークロードアラートルールは、ユーザー定義プロジェクトに関連します。これらのアラートルールはユーザーによって作成され、カスタマイズ可能です。ユーザー定義のワークロードモニタリングはインストール後に有効にでき、独自のワークロードへの可観測性を提供します。
Developer パースペクティブでのアラート、サイレンスおよびアラートルールの検索およびフィルター
Developer パースペクティブ では、アラート UI の Alerts ページに、選択したプロジェクトに関連するアラートとサイレンスを組み合わせたビューが提供されています。規定するアラートルールへのリンクが表示されるアラートごとに提供されます。
このビューでは、アラートの状態と重大度でフィルターを実行できます。デフォルトで、プロジェクトへのアクセス権限がある場合は、選択されたプロジェクトのすべてのアラートが表示されます。これらのフィルターは Administrator パースペクティブについて記載されているフィルターと同じです。
10.3. アラート、サイレンスおよびアラートルールについての情報の取得
アラート UI は、アラートおよびそれらを規定するアラートルールおよびサイレンスについての詳細情報を提供します。
前提条件
- 開発者、またはアラートを表示するプロジェクトの表示権限を持つユーザーとして、クラスターにアクセスできる。
手順
Administrator パースペクティブでアラートの情報を取得するには、以下を実行します。
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールを開き、Observe → Alerting → Alerts ページに移動します。
- オプション: 検索リストで Name フィールドを使用し、アラートを名前で検索します。
- オプション: Filter リストでフィルターを選択し、アラートを状態、重大度およびソースでフィルターします。
- オプション: 1 つ以上の Name、Severity、State、および Source 列ヘッダーをクリックし、アラートを並べ替えます。
アラートの名前をクリックして、Alert details ページを表示します。このページには、アラートの時系列データを示すグラフが含まれます。アラートに関する次の情報も提供されます。
- アラートの説明
- アラートに関連付けられたメッセージ
- アラートに割り当てられるラベル
- アラートを規定するアラートルールへのリンク
- アラートが存在する場合のアラートのサイレンス
Administrator パースペクティブでサイレンスの情報を取得するには、以下を実行します。
- Observe → Alerting → Silences ページに移動します。
- オプション: Search by name フィールドを使用し、サイレンスを名前でフィルターします。
- オプション: Filter リストでフィルターを選択し、サイレンスをフィルターします。デフォルトでは、Active および Pending フィルターが適用されます。
- オプション: Name、Firing alerts、State、Creator 列のヘッダーを 1 つ以上クリックして、サイレンスを並べ替えます。
サイレンスの名前を選択すると、その Silence details ページが表示されます。このページには、以下の詳細が含まれます。
- アラート仕様
- 開始時間
- 終了時間
- サイレンス状態
- 発生するアラートの数およびリスト
Administrator パースペクティブでアラートルールの情報を取得するには、以下を実行します。
- Observe → Alerting → Alerting rules ページに移動します。
- オプション: Filter 一覧でフィルターを選択し、アラートルールを状態、重大度およびソースでフィルターします。
- オプション: Name、Severity、Alert State、Source 列のヘッダーを 1 つ以上クリックし、アラートルールを並べ替えます。
アラートルールの名前を選択して、その Alerting rule details ページを表示します。このページには、アラートルールに関する以下の情報が含まれます。
- アラートルール名、重大度、説明
- アラートを発動する条件を定義する式
- 条件が true で持続してアラートが発生するまでの期間
- アラートルールで管理される各アラートのグラフ。アラートがh集うする値が表示されます。
- アラートルールで管理されるすべてのアラートを示す表。
Developer パースペクティブでアラート、サイレンス、およびアラートルールの情報を取得するには、以下を実行します。
- Observe → <project_name> → Alerts ページに移動します。
アラート、サイレンス、またはアラートルールの詳細を表示します。
- Alert details を表示するには、アラート名の横にある大なり記号 (>) をクリックし、リストからアラートを選択します。
Silence details を表示するには、Alert details ページの Silenced by セクションでサイレンスを選択します。Silence details ページには、以下の情報が含まれます。
- アラート仕様
- 開始時間
- 終了時間
- サイレンス状態
- 発生するアラートの数およびリスト
- Alerting rule details を表示するには、Alerts ページのアラートの横にある メニューをクリックし、次に View Alerting Rule をクリックします。
選択したプロジェクトに関連するアラート、サイレンスおよびアラートルールのみが Developer パースペクティブに表示されます。
関連情報
- 特定の Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングアラートをトリガーする問題の診断と解決に役立つ Cluster Monitoring Operator Runbook を参照してください。
10.4. サイレンスの管理
Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールでは、Administrator パースペクティブと Developer パースペクティブの両方でアラートのサイレンスを作成できます。サイレンスを作成すると、アラートが発生したときにアラートに関する通知を受信しなくなります。
サイレントの作成は、最初のアラート通知を受信し、アラートの発生の原因となっている根本的な問題を解決するまでの間、さらなる通知を受け取りたくないシナリオで役立ちます。
サイレンスの作成時に、サイレンスをすぐにアクティブにするか、後にアクティブにするかを指定する必要があります。また、サイレンスの有効期限を設定する必要もあります。
サイレンスを作成した後、それらを表示、編集、および期限切れにすることができます。
サイレンスを作成すると、それらは Alertmanager Pod 全体に複製されます。ただし、Alertmanager の永続ストレージを設定しないと、サイレンスが失われる可能性があります。これは、たとえば、すべての Alertmanager Pod が同時に再起動した場合に発生する可能性があります。
10.4.1. アラートをサイレントにする
特定のアラート、または定義する仕様に一致するアラートのいずれかをサイレンスにすることができます。
前提条件
-
クラスター管理者の場合は、
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
cluster-monitoring-view
クラスターロール。 -
monitoring-alertmanager-edit
ロール。これにより、Web コンソールの Administrator パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。 -
monitoring-rules-edit
クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
手順
Administrator パースペクティブで特定のアラートをサイレントにするには、以下を行います。
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールで、Observe → Alerting → Alerts に移動します。
- サイレントにしたいアラートに対して、 をクリックし、Silence alert を選択して、選択したアラートのデフォルト設定を含む Silence alert ページを開きます。
オプション: サイレントのデフォルト設定の詳細を変更します。
注記サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。
- サイレントを保存するには、Silence をクリックします。
Developer パースペクティブで特定のアラートをサイレントにするには、以下を行います。
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールで、Observe → <project_name> → Alerts に移動します。
- 必要に応じて、アラート名の横にある大なり記号 (>) を選択し、アラートの詳細を展開します。
- 展開されたビューでアラートメッセージをクリックすると、そのアラートの Alert details ページが開きます。
- Silence alert をクリックして、アラートのデフォルト設定を含む Silence alert ページを開きます。
オプション: サイレントのデフォルト設定の詳細を変更します。
注記サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。
- サイレントを保存するには、Silence をクリックします。
Administrator パースペクティブでサイレンス設定を作成して一連のアラートをサイレントにするには、次の手順を実行します。
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールで、Observe → Alerting → Silences に移動します。
- Create silence をクリックします。
Create silence フォームで、アラートのスケジュール、期間、およびラベルの詳細を設定します。
注記サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。
- 入力したラベルと一致するアラートのサイレンスを作成するには、Silence をクリックします。
Developer パースペクティブでサイレント設定を作成して一連のアラートをサイレンスにするには、次の手順を実行します。
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールで、Observe → <project_name> → Silences に移動します。
- Create silence をクリックします。
Create silence ページで、アラートの期間とラベルの詳細を設定します。
注記サイレンスを保存する前にコメントを追加する必要があります。
- 入力したラベルと一致するアラートのサイレンスを作成するには、Silence をクリックします。
10.4.2. サイレンスの編集
サイレンスを編集すると、既存のサイレンスが期限切れになり、変更された設定で新しいサイレンスが作成されます。
前提条件
-
クラスター管理者の場合は、
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
cluster-monitoring-view
クラスターロール。 -
monitoring-alertmanager-edit
ロール。これにより、Web コンソールの Administrator パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。 -
monitoring-rules-edit
クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
手順
Administrator パースペクティブでサイレンスを編集するには、以下を実行します。
- Observe → Alerting → Silences に移動します。
変更するサイレンスの をクリックして Edit silence を選択します。
または、Actions をクリックし、サイレンスの Silence details ページで Edit silence を選択することもできます。
- Edit silence ページで変更を加え、Silence をクリックします。これにより、既存のサイレンスが期限切れになり、更新された設定でサイレンスが作成されます。
Developer パースペクティブでサイレンスを編集するには、以下を実行します。
- Observe → <project_name> → Silences に移動します。
変更するサイレンスの をクリックして Edit silence を選択します。
または、Actions をクリックし、サイレンスの Silence details ページで Edit silence を選択することもできます。
- Edit silence ページで変更を加え、Silence をクリックします。これにより、既存のサイレンスが期限切れになり、更新された設定でサイレンスが作成されます。
10.4.3. 有効期限切れにするサイレンス
単一のサイレンスまたは複数のサイレンスを期限切れにすることができます。サイレンスを期限切れにすると、そのサイレンスは永久に非アクティブ化されます。
期限切れで沈黙したアラートは削除できません。120 時間を超えて期限切れになったサイレンスはガベージコレクションされます。
前提条件
-
クラスター管理者の場合は、
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。 管理者以外のユーザーの場合は、次のユーザーロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
cluster-monitoring-view
クラスターロール。 -
monitoring-alertmanager-edit
ロール。これにより、Web コンソールの Administrator パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。 -
monitoring-rules-edit
クラスターロール。これにより、Web コンソールの Developer パースペクティブでアラートを作成して無効にできます。
-
Alertmanager へのアクセスを許可する
手順
Administrator パースペクティブでサイレンスを期限切れにするには、以下を行います。
- Observe → Alerting → Silences に移動します。
- 期限切れにするサイレンスについては、対応する行のチェックボックスを選択します。
Expire 1 silence をクリックして選択した 1 つのサイレンスを期限切れにするか、Expire <n> silences をクリックして複数の沈黙を期限切れにします (<n> は選択した沈黙の数になります)。
または、単一の沈黙を期限切れにするには、Actions をクリックし、サイレンスのSilence details ページで Expire silence を選択します。
Developer パースペクティブでサイレンスを期限切れにするには、以下を実行します。
- Observe → <project_name> → Silences に移動します。
- 期限切れにするサイレンスについては、対応する行のチェックボックスを選択します。
Expire 1 silence をクリックして選択した 1 つのサイレンスを期限切れにするか、Expire <n> silences をクリックして複数の沈黙を期限切れにします (<n> は選択した沈黙の数になります)。
または、単一の沈黙を期限切れにするには、Actions をクリックし、サイレンスのSilence details ページで Expire silence を選択します。
10.5. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの管理
Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングには、一連のデフォルトのアラートルールが同梱されています。クラスター管理者は、デフォルトのアラートルールを表示できます。
Red Hat OpenShift Service on AWS 4 では、ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを作成、表示、編集、および削除できます。
ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの管理は、Red Hat OpenShift Service on AWS バージョン 4.11 以降でのみ使用できます。
アラートルールについての考慮事項
- デフォルトのアラートルールは Red Hat OpenShift Service on AWS クラスター専用に使用されます。
- 一部のアラートルールには、複数の意図的に同じ名前が含まれます。それらは同じイベントについてのアラートを送信しますが、それぞれ異なるしきい値、重大度およびそれらの両方が設定されます。
- 抑制 (inhibition) ルールは、高い重大度のアラートが実行される際に実行される低い重大度のアラートの通知を防ぎます。
10.5.1. ユーザー定義プロジェクトのアラートの最適化
アラートルールの作成時に以下の推奨事項を考慮して、独自のプロジェクトのアラートを最適化できます。
- プロジェクト用に作成するアラートルールの数を最小限にします。影響を与える状況を通知するアラートルールを作成します。影響を与えない条件に対して多数のアラートを生成すると、関連するアラートに気づくのがさらに困難になります。
- 原因ではなく現象についてのアラートルールを作成します。根本的な原因に関係なく、状態を通知するアラートルールを作成します。次に、原因を調査できます。アラートルールのそれぞれが特定の原因にのみ関連する場合に、さらに多くのアラートルールが必要になります。そのため、いくつかの原因は見落される可能性があります。
- アラートルールを作成する前にプランニングを行います。重要な現象と、その発生時に実行するアクションを決定します。次に、現象別にアラートルールをビルドします。
- クリアなアラートメッセージングを提供します。アラートメッセージに現象および推奨されるアクションを記載します。
- アラートルールに重大度レベルを含めます。アラートの重大度は、報告される現象が生じた場合に取るべき対応によって異なります。たとえば、現象に個人または緊急対策チーム (Critical Response Team) による早急な対応が必要な場合は、重大アラートをトリガーする必要があります。
関連情報
- アラートの最適化に関する追加のガイドラインは、Prometheus アラートのドキュメント を参照してください。
10.5.2. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの作成
ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを作成する場合は、新しいルールを定義する際に次の主要な動作と重要な制限事項を考慮してください。
ユーザー定義のアラートルールには、コアプラットフォームのモニタリングからのデフォルトメトリクスに加えて、独自のプロジェクトが公開したメトリクスを含めることができます。別のユーザー定義プロジェクトのメトリクスを含めることはできません。
たとえば、
ns1
ユーザー定義プロジェクトのアラートルールでは、CPU やメモリーメトリクスなどのコアプラットフォームメトリクスに加えて、ns1
プロジェクトが公開したメトリクスも使用できます。ただし、ルールには、別のns2
ユーザー定義プロジェクトからのメトリクスを含めることはできません。レイテンシーを短縮し、コアプラットフォームモニタリングコンポーネントの負荷を最小限に抑えるために、ルールに
openshift.io/prometheus-rule-evaluation-scope: leaf-prometheus
ラベルを追加できます。このラベルは、openshift-user-workload-monitoring
プロジェクトにデプロイされた Prometheus インスタンスのみにアラートルールの評価を強制し、Thanos Ruler インスタンスによる評価を防ぎます。重要アラートルールにこのラベルが付いている場合、そのアラートルールはユーザー定義プロジェクトが公開するメトリクスのみを使用できます。デフォルトのプラットフォームメトリクスに基づいて作成したアラートルールでは、アラートがトリガーされない場合があります。
10.5.3. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの作成
ユーザー定義のプロジェクトに対してアラートルールを作成できます。これらのアラートルールは、選択したメトリクスの値に基づいてアラートをトリガーします。
- アラートルールを作成すると、別のプロジェクトに同じ名前のルールが存在する場合でも、そのルールにプロジェクトラベルが適用されます。
- ユーザーがアラートの影響と原因を理解できるように、アラートルールにアラートメッセージと重大度値が含まれていることを確認します。
前提条件
- ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっている。
-
アラートルールを作成する必要のある namespace の
monitoring-rules-edit
クラスターロールを持つユーザーとしてログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
-
アラートルールの YAML ファイルを作成します。この例では、
example-app-alerting-rule.yaml
という名前です。 アラートルール設定を YAML ファイルに追加します。以下の例では、
example-alert
という名前の新規アラートルールを作成します。アラートルールは、サンプルサービスによって公開されるversion
メトリクスが0
になるとアラートを実行します。apiVersion: monitoring.coreos.com/v1 kind: PrometheusRule metadata: name: example-alert namespace: ns1 spec: groups: - name: example rules: - alert: VersionAlert 1 for: 1m 2 expr: version{job="prometheus-example-app"} == 0 3 labels: severity: warning 4 annotations: message: This is an example alert. 5
設定ファイルをクラスターに適用します。
$ oc apply -f example-app-alerting-rule.yaml
関連情報
- Red Hat OpenShift Service on AWS 4 のモニタリングアーキテクチャーの詳細は、モニタリングの概要 を参照してください。
10.5.4. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールへのアクセス
ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを一覧表示するには、プロジェクトの monitoring-rules-view
クラスターロールが割り当てられている必要があります。
前提条件
- ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっている。
-
プロジェクトの
monitoring-rules-view
クラスターロールを持つユーザーとしてログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
<project>
でアラートルールを一覧表示するには、以下を実行します。$ oc -n <project> get prometheusrule
アラートルールの設定をリスト表示するには、以下を実行します。
$ oc -n <project> get prometheusrule <rule> -o yaml
10.5.5. 単一ビューでのすべてのプロジェクトのアラートルールのリスト表示
dedicated-admin
として、コア Red Hat OpenShift Service on AWS とユーザー定義プロジェクトのアラートルールを 1 つのビューにまとめてリストできます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
- Administrator パースペクティブで、Observe → Alerting → Alerting rules に移動します。
Filter ドロップダウンメニューで、Platform および User ソースを選択します。
注記Platform ソースはデフォルトで選択されます。
10.5.6. ユーザー定義プロジェクトのアラートルールの削除
ユーザー定義プロジェクトのアラートルールを削除できます。
前提条件
- ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっている。
-
アラートルールを作成する必要のある namespace の
monitoring-rules-edit
クラスターロールを持つユーザーとしてログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
<namespace>
のルール<foo>
を削除するには、以下を実行します。$ oc -n <namespace> delete prometheusrule <foo>
関連情報
- Alertmanager ドキュメント を参照してください。
10.6. 外部システムへの通知の送信
Red Hat OpenShift Service on AWS 4 では、アラートの起動をアラート UI で表示できます。アラートは、デフォルトでは通知システムに送信されるように設定されません。以下のレシーバータイプにアラートを送信するように Red Hat OpenShift Service on AWS を設定できます。
- PagerDuty
- Webhook
- Slack
- Microsoft Teams
レシーバーへのアラートのルートを指定することにより、障害が発生する際に適切なチームに通知をタイムリーに送信できます。たとえば、重大なアラートには早急な対応が必要となり、通常は個人または緊急対策チーム (Critical Response Team) に送信先が設定されます。重大ではない警告通知を提供するアラートは、早急な対応を要さないレビュー用にチケットシステムにルート指定される可能性があります。
Watchdog アラートの使用によるアラートが機能することの確認
Red Hat OpenShift Service on AWS モニタリングには、継続的に発生するウォッチドッグアラートが含まれます。Alertmanager は、Watchdog のアラート通知を設定された通知プロバイダーに繰り返し送信します。通常、プロバイダーは Watchdog アラートの受信を停止する際に管理者に通知するように設定されます。このメカニズムは、Alertmanager と通知プロバイダー間の通信に関連する問題を迅速に特定するのに役立ちます。
10.6.1. デフォルトのプラットフォームアラートとユーザー定義アラートに異なるアラートレシーバーを設定する
デフォルトのプラットフォームアラートとユーザー定義アラートに異なるアラートレシーバーを設定して、次の結果を確実に得ることができます。
- すべてのデフォルトのプラットフォームアラートは、これらのアラートを担当するチームが所有する受信機に送信されます。
- すべてのユーザー定義アラートは別の受信者に送信されるため、チームはプラットフォームアラートにのみ集中できます。
これを実現するには、Cluster Monitoring Operator によってすべてのプラットフォームアラートに追加される openshift_io_alert_source="platform"
ラベルを使用します。
-
デフォルトのプラットフォームアラートを一致させるには、
openshift_io_alert_source="platform"
マッチャーを使用します。 -
ユーザー定義のアラートを一致させるには、
openshift_io_alert_source!="platform"
または'openshift_io_alert_source=""'
マッチャーを使用します。
ユーザー定義アラート専用の Alertmanager の別のインスタンスを有効にしている場合、この設定は適用されません。
10.6.2. ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングの作成
alert-routing-edit
クラスターロールが付与されている管理者以外のユーザーの場合は、ユーザー定義プロジェクトのアラートルーティングを作成または編集できます。
前提条件
- アラートルーティングがユーザー定義プロジェクトに対して有効になりました。
-
アラートルーティングを作成する必要のあるプロジェクトの
alert-routing-edit
クラスターロールを持つユーザーとしてログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
-
アラートルーティングの YAML ファイルを作成します。この手順の例では、
example-app-alert-routing.yaml
という名前のファイルを使用します。 AlertmanagerConfig
YAML 定義をファイルに追加します。以下に例を示します。apiVersion: monitoring.coreos.com/v1beta1 kind: AlertmanagerConfig metadata: name: example-routing namespace: ns1 spec: route: receiver: default groupBy: [job] receivers: - name: default webhookConfigs: - url: https://example.org/post
注記ユーザー定義のアラートルールの場合、ユーザー定義のルーティングはリソースが定義される namespace に対してスコープ指定されます。たとえば、namespace
ns1
のAlertmanagerConfig
オブジェクトで定義されるルーティング設定は、同じ namespace のPrometheusRules
リソースにのみ適用されます。- ファイルを保存します。
リソースをクラスターに適用します。
$ oc apply -f example-app-alert-routing.yaml
この設定は Alertmanager Pod に自動的に適用されます。
10.7. ユーザー定義のアラートルーティングの Alertmanager へのカスタム設定の適用
ユーザー定義のアラートルーティング専用の Alertmanager の別のインスタンスを有効にしている場合は、openshift-user-workload-monitoring
namespace で alertmanager-user-workload
シークレットを編集して Alertmanager のこのインスタンスの設定を上書きできます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
現在アクティブな Alertmanager 設定をファイル
alertmanager.yaml
に出力します。$ oc -n openshift-user-workload-monitoring get secret alertmanager-user-workload --template='{{ index .data "alertmanager.yaml" }}' | base64 --decode > alertmanager.yaml
alertmanager.yaml
で設定を編集します。route: receiver: Default group_by: - name: Default routes: - matchers: - "service = prometheus-example-monitor" 1 receiver: <receiver> 2 receivers: - name: Default - name: <receiver> # <receiver_configuration>
新規設定をファイルで適用します。
$ oc -n openshift-user-workload-monitoring create secret generic alertmanager-user-workload --from-file=alertmanager.yaml --dry-run=client -o=yaml | oc -n openshift-user-workload-monitoring replace secret --filename=-
関連情報
- PagerDuty についての詳細は、PagerDuty の公式サイト を参照してください。
-
service_key
を取得する方法は、PagerDuty Prometheus Integration Guide を参照してください。 - 各種のアラートレシーバー経由でアラートを設定する方法は、Alertmanager configuration を参照してください。
第11章 モニタリングダッシュボードの確認
Red Hat OpenShift Service on AWS は、ユーザー定義プロジェクトの状態を理解するのに役立つモニタリングダッシュボードを提供します。
Administrator パースペクティブを使用して、次の項目を含むコア Red Hat OpenShift Service on AWS コンポーネントのダッシュボードにアクセスします。
- API パフォーマンス
- etcd
- Kubernetes コンピュートリソース
- Kubernetes ネットワークリソース
- Prometheus
- クラスターおよびノードのパフォーマンスに関連する USE メソッドダッシュボード
- ノードのパフォーマンスメトリクス
図11.1 Administrator パースペクティブのダッシュボードの例
Developer パースペクティブを使用して、選択されたプロジェクトの以下のアプリケーションメトリクスを提供する Kubernetes コンピュートリソースダッシュボードにアクセスします。
- CPU usage (CPU の使用率)
- メモリー使用量
- 帯域幅に関する情報
- パケットレート情報
図11.2 Developer パースペクティブのダッシュボードの例
開発者 パースペクティブでは、一度に 1 つのプロジェクトのダッシュボードのみを表示できます。
11.1. クラスター管理者としてのモニタリングダッシュボードの確認
Administrator パースペクティブでは、コア Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターコンポーネントに関連するダッシュボードを表示できます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Observe → Dashboards に移動します。
- Dashboard 一覧でダッシュボードを選択します。etcd や Prometheus ダッシュボードなどの一部のダッシュボードは、選択時に追加のサブメニューを生成します。
必要に応じて、Time Range 一覧でグラフの時間範囲を選択します。
- 事前定義済みの期間を選択します。
時間範囲 リストで カスタムの時間範囲 を選択して、カスタムの時間範囲を設定します。
- From および To の日付と時間を入力または選択します。
- Save をクリックして、カスタムの時間範囲を保存します。
- オプション: Refresh Interval を選択します。
- 特定の項目についての詳細情報を表示するには、ダッシュボードの各グラフにカーソルを合わせます。
11.2. 開発者が行うモニタリングダッシュボードの確認
Developer パースペクティブでは、選択されたプロジェクトに関連するダッシュボードを表示できます。ダッシュボード情報を表示するには、プロジェクトをモニターするためのアクセスが必要になります。
前提条件
- 開発者またはユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
- ダッシュボードを表示するプロジェクトの表示権限がある。
手順
- Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールの Developer パースペクティブで、Observe → Dashboard に移動します。
- Project: ドロップダウンリストからプロジェクトを選択します。
Dashboard ドロップダウンリストからダッシュボードを選択し、フィルターされたメトリクスを表示します。
注記すべてのダッシュボードは、Kubernetes / Compute Resources / Namespace(Pod) を除く、選択時に追加のサブメニューを生成します。
必要に応じて、Time Range 一覧でグラフの時間範囲を選択します。
- 事前定義済みの期間を選択します。
時間範囲 リストで カスタムの時間範囲 を選択して、カスタムの時間範囲を設定します。
- From および To の日付と時間を入力または選択します。
- Save をクリックして、カスタムの時間範囲を保存します。
- オプション: Refresh Interval を選択します。
- 特定の項目についての詳細情報を表示するには、ダッシュボードの各グラフにカーソルを合わせます。
11.3. 次のステップ
第12章 CLI を使用した API のモニタリング
Red Hat OpenShift Service on AWS 4 では、コマンドラインインターフェイス (CLI) から一部のモニタリングコンポーネントの Web サービス API にアクセスできます。
特定の状況では、特にエンドポイントを使用して大量のメトリクスデータを取得、送信、またはクエリーする場合、API エンドポイントにアクセスするとクラスターのパフォーマンスとスケーラビリティーが低下する可能性があります。
これらの問題を回避するには、以下の推奨事項に従ってください。
- エンドポイントに頻繁にクエリーを実行しないようにします。クエリーを 30 秒ごとに最大 1 つに制限します。
-
Prometheus の
/federate
エンドポイントを介してすべてのメトリクスデータを取得しようとしないでください。制限された集約されたデータセットを取得する場合にのみクエリーします。たとえば、各要求で 1,000 未満のサンプルを取得すると、パフォーマンスが低下するリスクを最小限に抑えることができます。
12.1. モニタリング Web サービス API へのアクセスについて
次の監視スタックコンポーネントのコマンドラインから Web サービス API エンドポイントに直接アクセスできます。
- Prometheus
- Alertmanager
- Thanos Ruler
- Thanos Querier
Thanos Ruler および Thanos Querier サービス API にアクセスするには、要求元のアカウントが namespace リソースに対するアクセス許可を get
している必要があります。これは、アカウントに cluster-monitoring-view
クラスターロールをバインドして付与することで実行できます。
モニタリングコンポーネントの Web サービス API エンドポイントにアクセスする場合は、以下の制限事項に注意してください。
- Bearer Token 認証のみを使用して API エンドポイントにアクセスできます。
-
ルートの
/api
パスのエンドポイントにのみアクセスできます。Web ブラウザーで API エンドポイントにアクセスしようとすると、Application is not available
エラーが発生します。Web ブラウザーでモニタリング機能にアクセスするには、Red Hat OpenShift Service on AWS Web コンソールを使用してモニタリングダッシュボードを確認します。
関連情報
12.2. 監視 Web サービス API へのアクセス
次の例は、コアプラットフォームの監視で使用される Alertmanager サービスのサービス API レシーバーをクエリーする方法を示しています。同様の方法を使用して、コアプラットフォーム Prometheus の prometheus-k8s
サービスと Thanos Ruler の thanos-ruler
サービスにアクセスできます。
前提条件
-
openshift-monitoring
名前空間のmonitoring-alertmanager-edit
ロールにバインドされているアカウントにログインしています。 Alertmanager API ルートを取得する権限を持つアカウントにログインしています。
注記アカウントに Alertmanager API ルートの取得権限がない場合、クラスター管理者はルートの URL を提供できます。
手順
次のコマンドを実行して認証トークンを抽出します。
$ TOKEN=$(oc whoami -t)
次のコマンドを実行して、
alertmanager-main
API ルート URL を抽出します。$ HOST=$(oc -n openshift-monitoring get route alertmanager-main -ojsonpath={.spec.host})
次のコマンドを実行して、サービス API レシーバーに Alertmanager をクエリーします。
$ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" -k "https://$HOST/api/v2/receivers"
12.3. Prometheus のフェデレーションエンドポイントを使用したメトリクスのクエリー
Prometheus のフェデレーションエンドポイントを使用して、クラスターの外部のネットワークの場所からプラットフォームとユーザー定義のメトリックを収集できます。これを行うには、Red Hat OpenShift Service on AWS を介してクラスターの Prometheus /federate
エンドポイントにアクセスします。
メトリクスデータの取得の遅延は、フェデレーションを使用すると発生します。この遅延は、収集されたメトリクスの精度とタイムラインに影響を与えます。
フェデレーションエンドポイントを使用すると、特にフェデレーションエンドポイントを使用して大量のメトリクスデータを取得する場合に、クラスターのパフォーマンスおよびスケーラビリティーを低下させることもできます。これらの問題を回避するには、以下の推奨事項に従ってください。
- Prometheus のフェデレーションエンドポイントを介してすべてのメトリクスデータを取得しようとしないでください。制限された集約されたデータセットを取得する場合にのみクエリーします。たとえば、各要求で 1,000 未満のサンプルを取得すると、パフォーマンスが低下するリスクを最小限に抑えることができます。
- Prometheus のフェデレーションエンドポイントに対して頻繁にクエリーすることは避けてください。クエリーを 30 秒ごとに最大 1 つに制限します。
クラスター外に大量のデータを転送する必要がある場合は、代わりにリモート書き込みを使用します。詳細は、リモート書き込みストレージの設定セクションを参照してください。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 cluster-monitoring-view
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできるか、namespace
リソースのget
権限を持つベアラートークンを取得している。注記Prometheus フェデレーションエンドポイントへのアクセスには、ベアラートークン認証のみを使用できます。
Prometheus フェデレーションルートを取得する権限を持つアカウントにログインしている。
注記アカウントに Prometheus フェデレーションルートを取得する権限がない場合、クラスター管理者はルートの URL を提供できます。
手順
次のコマンドを実行してベアラートークンを取得します。
$ TOKEN=$(oc whoami -t)
次のコマンドを実行して、Prometheus フェデレーションルート URL を取得します。
$ HOST=$(oc -n openshift-monitoring get route prometheus-k8s-federate -ojsonpath={.spec.host})
/federate
ルートからメトリクスをクエリーします。次のコマンド例は、up
メトリクスをクエリーします。$ curl -G -k -H "Authorization: Bearer $TOKEN" https://$HOST/federate --data-urlencode 'match[]=up'
出力例
# TYPE up untyped up{apiserver="kube-apiserver",endpoint="https",instance="10.0.143.148:6443",job="apiserver",namespace="default",service="kubernetes",prometheus="openshift-monitoring/k8s",prometheus_replica="prometheus-k8s-0"} 1 1657035322214 up{apiserver="kube-apiserver",endpoint="https",instance="10.0.148.166:6443",job="apiserver",namespace="default",service="kubernetes",prometheus="openshift-monitoring/k8s",prometheus_replica="prometheus-k8s-0"} 1 1657035338597 up{apiserver="kube-apiserver",endpoint="https",instance="10.0.173.16:6443",job="apiserver",namespace="default",service="kubernetes",prometheus="openshift-monitoring/k8s",prometheus_replica="prometheus-k8s-0"} 1 1657035343834 ...
12.4. カスタムアプリケーションについてのクラスター外からのメトリクスへのアクセス
ユーザー定義プロジェクトを使用して独自のサービスを監視する場合は、クラスターの外部から Prometheus メトリクスをクエリーできます。このデータには、thanos-querier
ルートを使用してクラスターの外部からアクセスします。
このアクセスは、認証に Bearer Token を使用することのみをサポートします。
前提条件
- "ユーザー定義プロジェクトのモニタリングの有効化" の手順に従い、独自のサービスをデプロイしている。
-
Thanos Querier API へのアクセス権限を持つ
cluster-monitoring-view
クラスターロールでアカウントにログインしている。 Thanos Querier API ルートの取得権限を持つアカウントにログインしています。
注記アカウントに Thanos Querier API ルートの取得権限がない場合、クラスター管理者はルートの URL を提供できます。
手順
次のコマンドを実行して、Prometheus に接続するための認証トークンを展開します。
$ TOKEN=$(oc whoami -t)
次のコマンドを実行して、
thanos-querier
API ルート URL を展開します。$ HOST=$(oc -n openshift-monitoring get route thanos-querier -ojsonpath={.spec.host})
次のコマンドを使用して、サービスが実行されている namespace に namespace を設定します。
$ NAMESPACE=ns1
次のコマンドを実行して、コマンドラインで独自のサービスのメトリクスに対してクエリーを実行します。
$ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" -k "https://$HOST/api/v1/query?" --data-urlencode "query=up{namespace='$NAMESPACE'}"
出力には、Prometheus がスクレイピングしている各アプリケーション Pod のステータスが表示されます。
出力例
{"status":"success","data":{"resultType":"vector","result":[{"metric":{"__name__":"up","endpoint":"web","instance":"10.129.0.46:8080","job":"prometheus-example-app","namespace":"ns1","pod":"prometheus-example-app-68d47c4fb6-jztp2","service":"prometheus-example-app"},"value":[1591881154.748,"1"]}]}}
12.5. 関連情報
第13章 モニタリング関連の問題のトラブルシューティング
ユーザー定義プロジェクトのモニタリングに関する一般的な問題のトラブルシューティング手順を参照してください。
13.1. ユーザー定義プロジェクトのメトリクスが利用できない理由の判別
ユーザー定義プロジェクトのモニタリング時にメトリクスが表示されない場合は、以下の手順を実行して問題のトラブルシューティングを実行します。
手順
メトリクス名に対してクエリーを実行し、プロジェクトが正しいことを確認します。
- Web コンソールの Developer パースペクティブから、Observe → Metrics を選択します。
- Project: 一覧でメトリクスで表示するプロジェクトを選択します。
Select query 一覧からクエリーを選択するか、Show PromQL を選択してカスタム PromQL クエリーを実行します。
メトリクスはグラフに表示されます。
クエリーはプロジェクトごとに実行される必要があります。表示されるメトリクスは、選択したプロジェクトに関連するメトリクスです。
メトリクスが必要な Pod がアクティブにメトリクスを提供していることを確認します。以下の
oc exec
コマンドを Pod で実行し、podIP
、port
、 および/metrics
をターゲットにします。$ oc exec <sample_pod> -n <sample_namespace> -- curl <target_pod_IP>:<port>/metrics
注記curl
がインストールされている Pod でコマンドを実行する必要があります。以下の出力例は、有効なバージョンのメトリクスを含む結果を示しています。
出力例
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current Dload Upload Total Spent Left Speed # HELP version Version information about this binary-- --:--:-- --:--:-- 0 # TYPE version gauge version{version="v0.1.0"} 1 100 102 100 102 0 0 51000 0 --:--:-- --:--:-- --:--:-- 51000
無効な出力は、対応するアプリケーションに問題があることを示しています。
-
PodMonitor
CRD を使用している場合は、PodMonitor
CRD がラベル一致を使用して適切な Pod を参照するよう設定されていることを確認します。詳細は、Prometheus Operator のドキュメントを参照してください。 ServiceMonitor
CRD を使用し、Pod の/metrics
エンドポイントがメトリクスデータを表示している場合は、以下の手順を実行して設定を確認します。サービスが正しい
/metrics
エンドポイントを参照していることを確認します。この出力のサービスlabels
は、後続の手順でサービスが定義するサービスモニターのlabels
と/metrics
エンドポイントと一致する必要があります。$ oc get service
出力例
apiVersion: v1 kind: Service 1 metadata: labels: 2 app: prometheus-example-app name: prometheus-example-app namespace: ns1 spec: ports: - port: 8080 protocol: TCP targetPort: 8080 name: web selector: app: prometheus-example-app type: ClusterIP
serviceIP
、port
、および/metrics
エンドポイントをクエリーし、以前に Pod で実行したcurl
コマンドと同じメトリクスがあるかどうかを確認します。以下のコマンドを実行してサービス IP を見つけます。
$ oc get service -n <target_namespace>
/metrics
エンドポイントをクエリーします。$ oc exec <sample_pod> -n <sample_namespace> -- curl <service_IP>:<port>/metrics
以下の例では、有効なメトリクスが返されます。
出力例
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current Dload Upload Total Spent Left Speed 100 102 100 102 0 0 51000 0 --:--:-- --:--:-- --:--:-- 99k # HELP version Version information about this binary # TYPE version gauge version{version="v0.1.0"} 1
ラベルのマッチングを使用して、
ServiceMonitor
オブジェクトが必要なサービスを参照するように設定されていることを確認します。これを実行するには、oc get service
出力のService
オブジェクトをoc get servicemonitor
出力のServiceMonitor
オブジェクトと比較します。メトリクスを表示するには、ラベルが一致している必要があります。たとえば、直前の手順の
Service
オブジェクトにapp: prometheus-example-app
ラベルがあり、ServiceMonitor
オブジェクトに同じapp: prometheus-example-app
一致ラベルがある点に注意してください。
- すべて有効になっていても、メトリクスが利用できない場合は、サポートチームにお問い合わせください。
13.2. Prometheus が大量のディスク領域を消費している理由の特定
開発者は、キーと値のペアの形式でメトリクスの属性を定義するためにラベルを作成できます。使用できる可能性のあるキーと値のペアの数は、属性について使用できる可能性のある値の数に対応します。数が無制限の値を持つ属性は、バインドされていない属性と呼ばれます。たとえば、customer_id
属性は、使用できる値が無限にあるため、バインドされていない属性になります。
割り当てられるキーと値のペアにはすべて、一意の時系列があります。ラベルに多数のバインドされていない値を使用すると、作成される時系列の数が指数関数的に増加する可能性があります。これは Prometheus のパフォーマンスに影響する可能性があり、多くのディスク領域を消費する可能性があります。
Prometheus が多くのディスクを消費する場合、以下の手段を使用できます。
- どのラベルが最も多くの時系列データを作成しているか詳しく知るには Prometheus HTTP API を使用して時系列データベース (TSDB) のステータスを確認 します。これを実行するには、クラスター管理者権限が必要です。
- 収集される 収集サンプルの数を確認 します。
ユーザー定義メトリクスに割り当てられるバインドされていない属性の数を減らすことで、作成される一意の時系列の数を減らします。
注記使用可能な値の制限されたセットにバインドされる属性を使用すると、可能なキーと値のペアの組み合わせの数が減ります。
- ユーザー定義プロジェクト間で 収集可能なサンプル数の数に制限を適用します。これには、クラスター管理者の権限が必要です。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
- Administrator パースペクティブで、Observe → Metrics に移動します。
Expression フィールドに、Prometheus Query Language (PromQL)クエリーを入力します。次のクエリー例は、ディスク領域の消費量の増加につながる可能性のある高カーディナリティメトリクスを識別するのに役立ちます。
次のクエリーを実行すると、スクレイプサンプルの数が最も多い ジョブを 10 個特定できます。
topk(10, max by(namespace, job) (topk by(namespace, job) (1, scrape_samples_post_metric_relabeling)))
次のクエリーを実行すると、過去 1 時間に最も多くの時系列データを作成したジョブを 10 個特定して、時系列のチャーンを正確に特定できます。
topk(10, sum by(namespace, job) (sum_over_time(scrape_series_added[1h])))
想定よりもサンプルのスクレイプ数が多いメトリクスに割り当てられたラベルで、値が割り当てられていないものの数を確認します。
- メトリクスがユーザー定義のプロジェクトに関連する場合、ワークロードに割り当てられたメトリクスのキーと値のペアを確認します。これらのライブラリーは、アプリケーションレベルで Prometheus クライアントライブラリーを使用して実装されます。ラベルで参照されるバインドされていない属性の数の制限を試行します。
- メトリクスがコアの Red Hat OpenShift Service on AWS プロジェクトに関連している場合は、Red Hat Customer Portal で Red Hat サポートケースを作成します。
以下の手順に従い、
dedicated-admin
としてログインし、Prometheus HTTP API を使用して TSDB ステータスを確認します。次のコマンドを実行して、Prometheus API ルート URL を取得します。
$ HOST=$(oc -n openshift-monitoring get route prometheus-k8s -ojsonpath={.spec.host})
次のコマンドを実行して認証トークンを抽出します。
$ TOKEN=$(oc whoami -t)
次のコマンドを実行して、Prometheus の TSDB ステータスをクエリーします。
$ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" -k "https://$HOST/api/v1/status/tsdb"
出力例
"status": "success","data":{"headStats":{"numSeries":507473, "numLabelPairs":19832,"chunkCount":946298,"minTime":1712253600010, "maxTime":1712257935346},"seriesCountByMetricName": [{"name":"etcd_request_duration_seconds_bucket","value":51840}, {"name":"apiserver_request_sli_duration_seconds_bucket","value":47718}, ...
13.3. Prometheus に対する KubePersistentVolumeFillingUp アラートの解決
クラスター管理者は、Prometheus に対してトリガーされている KubePersistentVolumeFillingUp
アラートを解決できます。
openshift-monitoring
プロジェクトの prometheus-k8s-*
Pod によって要求された永続ボリューム (PV) の合計残り容量が 3% 未満になると、重大アラートが発生します。これにより、Prometheus の動作異常が発生する可能性があります。
KubePersistentVolumeFillingUp
アラートは 2 つあります。
-
重大アラート: マウントされた PV の合計残り容量が 3% 未満になると、
severity="critical"
ラベルの付いたアラートがトリガーされます。 -
警告アラート: マウントされた PV の合計空き容量が 15% 未満になり、4 日以内にいっぱいになると予想される場合、
severity="warning"
ラベルの付いたアラートがトリガーされます。
この問題に対処するには、Prometheus 時系列データベース (TSDB) のブロックを削除して、PV 用のスペースを増やすことができます。
前提条件
-
dedicated-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、すべての TSDB ブロックのサイズを古いものから新しいものの順にリスト表示します。
$ oc debug <prometheus_k8s_pod_name> -n openshift-monitoring \1 -c prometheus --image=$(oc get po -n openshift-monitoring <prometheus_k8s_pod_name> \2 -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') \ -- sh -c 'cd /prometheus/;du -hs $(ls -dt */ | grep -Eo "[0-9|A-Z]{26}")'
出力例
308M 01HVKMPKQWZYWS8WVDAYQHNMW6 52M 01HVK64DTDA81799TBR9QDECEZ 102M 01HVK64DS7TRZRWF2756KHST5X 140M 01HVJS59K11FBVAPVY57K88Z11 90M 01HVH2A5Z58SKT810EM6B9AT50 152M 01HV8ZDVQMX41MKCN84S32RRZ1 354M 01HV6Q2N26BK63G4RYTST71FBF 156M 01HV664H9J9Z1FTZD73RD1563E 216M 01HTHXB60A7F239HN7S2TENPNS 104M 01HTHMGRXGS0WXA3WATRXHR36B
削除できるブロックとその数を特定し、ブロックを削除します。次のコマンド例は、
prometheus-k8s-0
Pod から最も古い 3 つの Prometheus TSDB ブロックを削除します。$ oc debug prometheus-k8s-0 -n openshift-monitoring \ -c prometheus --image=$(oc get po -n openshift-monitoring prometheus-k8s-0 \ -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') \ -- sh -c 'ls -latr /prometheus/ | egrep -o "[0-9|A-Z]{26}" | head -3 | \ while read BLOCK; do rm -r /prometheus/$BLOCK; done'
次のコマンドを実行して、マウントされた PV の使用状況を確認し、十分な空き容量があることを確認します。
$ oc debug <prometheus_k8s_pod_name> -n openshift-monitoring \1 --image=$(oc get po -n openshift-monitoring <prometheus_k8s_pod_name> \2 -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') -- df -h /prometheus/
次の出力例は、
prometheus-k8s-0
Pod によって要求されるマウントされた PV に、63% の空き容量が残っていることを示しています。出力例
Starting pod/prometheus-k8s-0-debug-j82w4 ... Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/nvme0n1p4 40G 15G 40G 37% /prometheus Removing debug pod ...
第14章 Cluster Monitoring Operator の ConfigMap 参照
14.1. Cluster Monitoring Operator 設定リファレンス
Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターモニタリングの一部は設定可能です。API には、さまざまな Config Map で定義されるパラメーターを設定してアクセスできます。
-
モニタリングコンポーネントを設定するには、
openshift-monitoring
namespace でcluster-monitoring-config
という名前のConfigMap
オブジェクトを編集します。このような設定は ClusterMonitoringConfiguration によって定義されます。 -
ユーザー定義プロジェクトを監視するモニタリングコンポーネントを設定するには、
openshift-user-workload-monitoring
namespace でuser-workload-monitoring-config
という名前のConfigMap
オブジェクトを編集します。これらの設定は UserWorkloadConfiguration で定義されます。
設定ファイルは、常に config map データの config.yaml
キーで定義されます。
- モニタリングスタックのすべての設定パラメーターが公開されるわけではありません。このリファレンスにリストされているパラメーターとフィールドのみが設定でサポートされます。サポートされる設定の詳細は、メンテナンスおよび監視のサポート を参照してください。
- クラスターモニタリングの設定はオプションです。
- 設定が存在しないか、空の場合には、デフォルト値が使用されます。
-
設定が無効な場合、Cluster Monitoring Operator はリソースの調整を停止し、Operator のステータス条件で
Degraded=True
を報告します。
14.2. AdditionalAlertmanagerConfig
14.2.1. 説明
AdditionalAlertmanagerConfig
リソースは、コンポーネントが追加の Alertmanager インスタンスと通信する方法の設定を定義します。
14.2.2. 必須
-
apiVersion
出現場所: PrometheusK8sConfig、PrometheusRestrictedConfig、ThanosRulerConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
apiVersion | string |
Alertmanager の API バージョンを定義します。使用できる値は |
bearerToken | *v1.SecretKeySelector | Alertmanager への認証時に使用するベアラートークンを含むシークレットキー参照を定義します。 |
pathPrefix | string | プッシュエンドポイントパスの前に追加するパス接頭辞を定義します。 |
scheme | string |
Alertmanager インスタンスとの通信時に使用する URL スキームを定義します。使用できる値は |
staticConfigs | []string |
|
timeout | *文字列 | アラートの送信時に使用されるタイムアウト値を定義します。 |
tlsConfig | Alertmanager 接続に使用する TLS 設定を定義します。 |
14.3. AlertmanagerMainConfig
14.3.1. 説明
AlertmanagerMainConfig
リソースは、openshift-monitoring
namespace で Alertmanager コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | *bool |
|
enableUserAlertmanagerConfig | bool |
|
logLevel | string |
Alertmanager のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements | Alertmanager コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
secrets | []string |
Alertmanager にマウントされるシークレットの一覧を定義します。シークレットは、Alertmanager オブジェクトと同じ namespace 内になければなりません。これらは |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
volumeClaimTemplate | *monv1.EmbeddedPersistentVolumeClaim | Alertmanager の永続ストレージを定義します。この設定を使用して、ストレージクラス、ボリュームサイズ、名前などの永続ボリューム要求を設定します。 |
14.4. AlertmanagerUserWorkloadConfig
14.4.1. 説明
AlertmanagerUserWorkloadConfig
リソースは、ユーザー定義プロジェクトに使用される Alertmanager インスタンスの設定を定義します。
表示場所: UserWorkloadConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
enableAlertmanagerConfig | bool |
|
logLevel | string |
ユーザーワークロードモニタリング用の Alertmanager のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
resources | *v1.ResourceRequirements | Alertmanager コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
secrets | []string |
Alertmanager にマウントされるシークレットの一覧を定義します。シークレットは、Alertmanager オブジェクトと同じ namespace 内に配置する必要があります。これらは |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
volumeClaimTemplate | *monv1.EmbeddedPersistentVolumeClaim | Alertmanager の永続ストレージを定義します。この設定を使用して、ストレージクラス、ボリュームサイズ、名前などの永続ボリューム要求を設定します。 |
14.5. ClusterMonitoringConfiguration
14.5.1. 説明
ClusterMonitoringConfiguration
リソースは、openshift-monitoring
namespace の cluster-monitoring-config
ConfigMap を使用してデフォルトのプラットフォームモニタリングスタックをカスタマイズする設定を定義します。
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
alertmanagerMain |
| |
enableUserWorkload | *bool |
|
k8sPrometheusAdapter |
| |
kubeStateMetrics |
| |
metricsServer |
| |
prometheusK8s |
| |
prometheusOperator |
| |
prometheusOperatorAdmissionWebhook |
| |
openshiftStateMetrics |
| |
telemeterClient |
| |
thanosQuerier |
| |
nodeExporter |
| |
monitoringPlugin |
|
14.6. DedicatedServiceMonitors
14.6.1. 説明
この設定は非推奨であり、今後の Red Hat OpenShift Service on AWS バージョンでは削除される予定です。この設定は、現在のバージョンにまだ存在しますが、効果はありません。
DedicatedServiceMonitors
リソースを使用して、Prometheus アダプターの専用のサービスモニターを設定できます。
表示場所: K8sPrometheusAdapter
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.7. K8sPrometheusAdapter
14.7.1. 説明
K8sPrometheusAdapter
リソースは、Prometheus Adapter コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
audit | *Audit |
Prometheus アダプターインスタンスによって使用される監査設定を定義します。使用できる値は |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
dedicatedServiceMonitors | 専用のサービスモニターを定義します。 |
14.8. KubeStateMetricsConfig
14.8.1. 説明
KubeStateMetricsConfig
リソースは、kube-state-metrics
エージェントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.9. MetricsServerConfig
14.9.1. 説明
Metrics Server はテクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
MetricsServerConfig
リソースは、Metrics Server コンポーネントの設定を定義します。この設定は、TechPreviewNoUpgrade
フィーチャーゲートが有効な場合にのみ適用されることに注意してください。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements | Metrics Server コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.10. PrometheusOperatorAdmissionWebhookConfig
14.10.1. 説明
PrometheusOperatorAdmissionWebhookConfig
リソースは、Prometheus Operator のアドミッション Webhook ワークロードの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.11. MonitoringPluginConfig
14.11.1. 説明
MonitoringPluginConfig
リソースは、openshift-monitoring
namespace の Web コンソールプラグインコンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.12. NodeExporterCollectorBuddyInfoConfig
14.12.1. 説明
NodeExporterCollectorBuddyInfoConfig
リソースは、node-exporter
エージェントの buddyinfo
コレクターのオン/オフスイッチとして機能します。デフォルトでは、buddyinfo
コレクターは無効になっています。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.13. NodeExporterCollectorConfig
14.13.1. 説明
NodeExporterCollectorConfig
リソースは、node-exporter
エージェントの個別コレクターの設定を定義します。
表示場所: NodeExporterConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
cpufreq |
CPU 周波数の統計情報を収集する | |
tcpstat |
TCP 接続の統計情報を収集する | |
netdev |
ネットワークデバイスの統計情報を収集する | |
netclass |
ネットワークデバイスに関する情報を収集する | |
buddyinfo |
| |
mountstats |
NFS ボリューム I/O アクティビティーに関する統計を収集する | |
ksmd |
カーネルの同一ページ結合デーモンから統計を収集する | |
processes |
システム内で実行しているプロセスとスレッドから統計を収集する | |
systemd |
systemd デーモンとそのマネージドサービスに関する統計を収集する |
14.14. NodeExporterCollectorCpufreqConfig
14.14.1. 説明
NodeExporterCollectorCpufreqConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの cpufreq
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、cpufreq
コレクターは無効になっています。特定の状況下で cpufreq
コレクターを有効にすると、多数のコアを持つマシンの CPU 使用率が増加します。マシンに多数のコアがある場合にこのコレクターを有効にする際は、CPU の過剰使用がないかシステムを監視してください。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.15. NodeExporterCollectorKSMDConfig
14.15.1. 説明
NodeExporterCollectorKSMDConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの ksmd
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、ksmd
コレクターは無効になっています。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.16. NodeExporterCollectorMountStatsConfig
14.16.1. 説明
NodeExporterCollectorMountStatsConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの mountstats
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、mountstats
コレクターは無効になっています。コレクターを有効にすると、node_mountstats_nfs_read_bytes_total
、node_mountstats_nfs_write_bytes_total
、node_mountstats_nfs_operations_requests_total
のメトリクスが使用可能になります。これらのメトリクスはカーディナリティが高くなる可能性があることに注意してください。このコレクターを有効にした場合は、prometheus-k8s
Pod のメモリー使用量の増加を注意深く監視してください。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.17. NodeExporterCollectorNetClassConfig
14.17.1. 説明
NodeExporterCollectorNetClassConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの netclass
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、netclass
コレクターが有効になっています。無効にすると、次のメトリクスが利用できなくなります (node_network_info
、node_network_address_assign_type
、node_network_carrier
、node_network_carrier_changes_total
、node_network_carrier_up_changes_total
、node_network_carrier_down_changes_total
、node_network_device_id
、node_network_dormant
、node_network_flags
、node_network_iface_id
、node_network_iface_link
、node_network_iface_link_mode
、node_network_mtu_bytes
、node_network_name_assign_type
、node_network_net_dev_group
、node_network_speed_bytes
、node_network_transmit_queue_length
、および node_network_protocol_type
)。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
useNetlink | bool |
|
14.18. NodeExporterCollectorNetDevConfig
14.18.1. 説明
NodeExporterCollectorNetDevConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの netdev
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、netdev
コレクターが有効になっています。無効にすると、次のメトリクスが利用できなくなります (node_network_receive_bytes_total
、node_network_receive_compressed_total
、node_network_receive_drop_total
、node_network_receive_errs_total
、node_network_receive_fifo_total
、node_network_receive_frame_total
、node_network_receive_multicast_total
、node_network_receive_nohandler_total
、node_network_receive_packets_total
、node_network_transmit_bytes_total
、node_network_transmit_carrier_total
、node_network_transmit_colls_total
、node_network_transmit_compressed_total
、node_network_transmit_drop_total
、node_network_transmit_errs_total
、node_network_transmit_fifo_total
、および node_network_transmit_packets_total
)。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.19. NodeExporterCollectorProcessesConfig
14.19.1. 説明
NodeExporterCollectorProcessesConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの processes
コレクターを有効または無効にします。コレクターが有効な場合は、次のメトリクスが使用可能になります (node_processes_max_processes
、node_processes_pids
、node_processes_state
、node_processes_threads
、node_processes_threads_state
)。メトリクス node_processes_state
と node_processes_threads_state
には、プロセスとスレッドの状態に応じて、それぞれ最大 5 つのシリーズを含めることができます。プロセスまたはスレッドの可能な状態は、D
(UNINTERRUPTABLE_SLEEP)、R
(RUNNING & RUNNABLE)、S
(INTERRUPTABLE_SLEEP)、T
(STOPPED)、または Z
(ZOMBIE) です。デフォルトでは、processes
コレクターは無効になっています。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.20. NodeExporterCollectorSystemdConfig
14.20.1. 説明
NodeExporterCollectorSystemdConfig
リソースを使用して、node-exporter
エージェントの systemd
コレクターを有効または無効にします。デフォルトでは、systemd
コレクターは無効になっています。有効にすると、次のメトリクスが使用可能になります (node_systemd_system_running
、node_systemd_units
、node_systemd_version
)。ユニットがソケットを使用する場合、次のメトリクスも生成します (node_systemd_socket_accepted_connections_total
、node_systemd_socket_current_connections
、node_systemd_socket_refused_connections_total
)。units
パラメーターを使用して、systemd
コレクターに含める systemd
ユニットを選択できます。選択したユニットは、各 systemd
ユニットの状態を示す node_systemd_unit_state
メトリクスを生成するために使用されます。ただし、このメトリクスのカーディナリティーは高くなる可能性があります (ノードごとのユニットごとに少なくとも 5 シリーズ)。選択したユニットの長いリストを使用してこのコレクターを有効にする場合は、過剰なメモリー使用量がないか prometheus-k8s
デプロイメントを注意深く監視してください。node_systemd_timer_last_trigger_seconds
メトリクスは、units
パラメーターの値を logrotate.timer
として設定した場合にのみ表示されることに注意してください。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
units | []string |
|
14.21. NodeExporterCollectorTcpStatConfig
14.21.1. 説明
NodeExporterCollectorTcpStatConfig
リソースは、node-exporter
エージェントの tcpstat
コレクターのオン/オフスイッチとして機能します。デフォルトでは、tcpstat
コレクターは無効になっています。
表示場所: NodeExporterCollectorConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enabled | bool |
|
14.22. NodeExporterConfig
14.22.1. 説明
NodeExporterConfig
リソースは、node-exporter
エージェントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
コレクター | 有効にするコレクターと、それらの追加の設定パラメーターを定義します。 | |
maxProcs | uint32 |
node-exporter のプロセスが実行する CPU のターゲット数。デフォルト値は |
ignoredNetworkDevices | *[]string |
|
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
14.23. OpenShiftStateMetricsConfig
14.23.1. 説明
OpenShiftStateMetricsConfig
リソースは、openshift-state-metrics
エージェントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.24. PrometheusK8sConfig
14.24.1. 説明
PrometheusK8sConfig
リソースは、Prometheus コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
additionalAlertmanagerConfigs | Prometheus コンポーネントからアラートを受信する追加の Alertmanager インスタンスを設定します。デフォルトでは、追加の Alertmanager インスタンスは設定されません。 | |
enforcedBodySizeLimit | string |
Prometheus が取得したメトリクスに本体サイズの制限を適用します。収集された対象のボディーの応答が制限値よりも大きい場合には、スクレイピングは失敗します。制限なしを指定する空の値、Prometheus サイズ形式の数値 ( |
externalLabels | map[string]string | フェデレーション、リモートストレージ、Alertmanager などの外部システムと通信する際に、任意の時系列またはアラートに追加されるラベルを定義します。デフォルトでは、ラベルは追加されません。 |
logLevel | string |
Prometheus のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
queryLogFile | string |
PromQL クエリーがログに記録されるファイルを指定します。この設定は、ファイル名 (クエリーが |
remoteWrite | URL、認証、再ラベル付け設定など、リモート書き込み設定を定義します。 | |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
retention | string |
Prometheus がデータを保持する期間を定義します。この定義は、次の正規表現パターンを使用して指定する必要があります ( |
retentionSize | string |
データブロックと先行書き込みログ (WAL) によって使用されるディスク領域の最大量を定義します。サポートされる値は、 |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
collectionProfile | CollectionProfile |
Prometheus がプラットフォームコンポーネントからメトリクスを収集するために使用するメトリクスコレクションプロファイルを定義します。使用可能な値は、 |
volumeClaimTemplate | *monv1.EmbeddedPersistentVolumeClaim | Prometheus の永続ストレージを定義します。この設定を使用して、ストレージクラス、ボリュームサイズ、名前などの永続ボリューム要求を設定します。 |
14.25. PrometheusOperatorConfig
14.25.1. 説明
PrometheusOperatorConfig
リソースは、Prometheus Operator コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration、UserWorkloadConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
logLevel | string |
Prometheus Operator のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.26. PrometheusRestrictedConfig
14.26.1. 説明
PrometheusRestrictedConfig
リソースは、ユーザー定義プロジェクトをモニターする Prometheus コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: UserWorkloadConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
additionalAlertmanagerConfigs | Prometheus コンポーネントからアラートを受信する追加の Alertmanager インスタンスを設定します。デフォルトでは、追加の Alertmanager インスタンスは設定されません。 | |
enforcedLabelLimit | *uint64 |
サンプルで受け入れられるラベルの数に、収集ごとの制限を指定します。メトリクスの再ラベル後にラベルの数がこの制限を超えると、スクレイプ全体が失敗として扱われます。デフォルト値は |
enforcedLabelNameLengthLimit | *uint64 |
サンプルのラベル名の長さにスクレイプごとの制限を指定します。ラベル名の長さがメトリクスの再ラベル付け後にこの制限を超える場合には、スクレイプ全体が失敗として扱われます。デフォルト値は |
enforcedLabelValueLengthLimit | *uint64 |
サンプルのラベル値の長さにスクレイプごとの制限を指定します。ラベル値の長さがメトリクスの再ラベル付け後にこの制限を超える場合、スクレイプ全体が失敗として扱われます。デフォルト値は |
enforcedSampleLimit | *uint64 |
受け入れられるスクレイプされたサンプル数のグローバル制限を指定します。この設定は、値が |
enforcedTargetLimit | *uint64 |
収集された対象数に対してグローバル制限を指定します。この設定は、値が |
externalLabels | map[string]string | フェデレーション、リモートストレージ、Alertmanager などの外部システムと通信する際に、任意の時系列またはアラートに追加されるラベルを定義します。デフォルトでは、ラベルは追加されません。 |
logLevel | string |
Prometheus のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
queryLogFile | string |
PromQL クエリーがログに記録されるファイルを指定します。この設定は、ファイル名 (クエリーが |
remoteWrite | URL、認証、再ラベル付け設定など、リモート書き込み設定を定義します。 | |
resources | *v1.ResourceRequirements | Prometheus コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
retention | string |
Prometheus がデータを保持する期間を定義します。この定義は、次の正規表現パターンを使用して指定する必要があります ( |
retentionSize | string |
データブロックと先行書き込みログ (WAL) によって使用されるディスク領域の最大量を定義します。サポートされる値は、 |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
volumeClaimTemplate | *monv1.EmbeddedPersistentVolumeClaim | Prometheus の永続ストレージを定義します。この設定を使用して、ボリュームのストレージクラスおよびサイズを設定します。 |
14.27. RemoteWriteSpec
14.27.1. 説明
RemoteWriteSpec
リソースは、リモート書き込みストレージの設定を定義します。
14.27.2. 必須
-
url
出現場所: PrometheusK8sConfig、PrometheusRestrictedConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
認可 | *monv1.SafeAuthorization | リモート書き込みストレージの認証設定を定義します。 |
basicAuth | *monv1.BasicAuth | リモート書き込みエンドポイント URL の Basic 認証設定を定義します。 |
bearerTokenFile | string | リモート書き込みエンドポイントのベアラートークンが含まれるファイルを定義します。ただし、シークレットを Pod にマウントできないため、実際にはサービスアカウントのトークンのみを参照できます。 |
headers | map[string]string | 各リモート書き込み要求とともに送信されるカスタム HTTP ヘッダーを指定します。Prometheus によって設定されるヘッダーは上書きできません。 |
metadataConfig | *monv1.MetadataConfig | シリーズのメタデータをリモート書き込みストレージに送信するための設定を定義します。 |
name | string | リモート書き込みキューの名前を定義します。この名前は、メトリクスとロギングでキューを区別するために使用されます。指定する場合、この名前は一意である必要があります。 |
oauth2 | *monv1.OAuth2 | リモート書き込みエンドポイントの OAuth2 認証設定を定義します。 |
proxyUrl | string | オプションのプロキシー URL を定義します。 |
queueConfig | *monv1.QueueConfig | リモート書き込みキューパラメーターの調整を許可します。 |
remoteTimeout | string | リモート書き込みエンドポイントへの要求のタイムアウト値を定義します。 |
sendExemplars | *bool | リモート書き込みによるエグザンプラーの送信を有効にします。この設定を有効にすると、最大 100,000 個のエグザンプラーをメモリーに保存するように Prometheus が設定されます。この設定はユーザー定義のモニタリングにのみ適用され、コアプラットフォームのモニタリンには適用されません。 |
sigv4 | *monv1.Sigv4 | AWS 署名バージョン 4 の認証設定を定義します。 |
tlsConfig | *monv1.SafeTLSConfig | リモート書き込みエンドポイントの TLS 認証設定を定義します。 |
url | string | サンプルの送信先となるリモート書き込みエンドポイントの URL を定義します。 |
writeRelabelConfigs | []monv1.RelabelConfig | リモート書き込みの再ラベル設定のリストを定義します。 |
14.28. TLSConfig
14.28.1. 説明
TLSConfig
リソースは、TLS 接続の設定を設定します。
14.28.2. 必須
-
insecureSkipVerify
表示場所: AdditionalAlertmanagerConfig
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
ca | *v1.SecretKeySelector | リモートホストに使用する認証局 (CA) を含む秘密鍵の参照を定義します。 |
cert | *v1.SecretKeySelector | リモートホストに使用する公開証明書を含む秘密鍵の参照を定義します。 |
鍵 (key) | *v1.SecretKeySelector | リモートホストに使用する秘密鍵を含む秘密鍵の参照を定義します。 |
serverName | string | 返された証明書のホスト名を確認するために使用されます。 |
insecureSkipVerify | bool |
|
14.29. TelemeterClientConfig
14.29.1. 説明
TelemeterClientConfig
は、Telemeter Client コンポーネントの設定を定義します。
14.29.2. 必須
-
nodeSelector
-
tolerations
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements |
|
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.30. ThanosQuerierConfig
14.30.1. 説明
ThanosQuerierConfig
リソースは、Thanos Querier コンポーネントの設定を定義します。
表示場所: ClusterMonitoringConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
enableRequestLogging | bool |
要求ロギングを有効または無効にするブール値フラグ。デフォルト値は |
logLevel | string |
Thanos Querier のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
enableCORS | bool |
CORS ヘッダーの設定を可能にするブール型フラグ。ヘッダーにより、あらゆる発信元からのアクセスが許可されます。デフォルト値は |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements | Thanos Querier コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
14.31. ThanosRulerConfig
14.31.1. 説明
ThanosRulerConfig
リソースは、ユーザー定義プロジェクトの Thanos Ruler インスタンスの設定を定義します。
表示場所: UserWorkloadConfiguration
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
additionalAlertmanagerConfigs |
Thanos Ruler コンポーネントが追加の Alertmanager インスタンスと通信する方法を設定します。デフォルト値は | |
logLevel | string |
Thanos Ruler のログレベル設定を定義します。使用できる値は、 |
nodeSelector | map[string]string | Pod がスケジュールされるノードを定義します。 |
resources | *v1.ResourceRequirements | Alertmanager コンテナーのリソース要求および制限を定義します。 |
retention | string |
Prometheus がデータを保持する期間を定義します。この定義は、次の正規表現パターンを使用して指定する必要があります ( |
tolerations | []v1.Toleration | Pod の容認を定義します。 |
topologySpreadConstraints | []v1.TopologySpreadConstraint | Pod のトポロジー分散制約を定義します。 |
volumeClaimTemplate | *monv1.EmbeddedPersistentVolumeClaim | Thanos Ruler の永続ストレージを定義します。この設定を使用して、ボリュームのストレージクラスおよびサイズを設定します。 |
14.32. UserWorkloadConfiguration
14.32.1. 説明
UserWorkloadConfiguration
リソースは、openshift-user-workload-monitoring
namespace の user-workload-monitoring-config
Config Map でユーザー定義プロジェクトに対応する設定を定義します。userWorkload Configuration
は、openshift-monitoring
namespace の下にある cluster-monitoring-config
Config Map で enableUserWorkload
を true
に設定した後にのみ有効にできます。
プロパティー | 型 | 説明 |
---|---|---|
alertmanager | ユーザーワークロードモニタリングで Alertmanager コンポーネントの設定を定義します。 | |
prometheus | ユーザーワークロードモニタリングで Prometheus コンポーネントの設定を定義します。 | |
prometheusOperator | ユーザーワークロードモニタリングでの Prometheus Operator コンポーネントの設定を定義します。 | |
thanosRuler | ユーザーワークロードモニタリングで Thanos Ruler コンポーネントの設定を定義します。 |